用語説明


*1 G蛋白質: 細胞膜に存在する受容体からのシグナルを、細胞内部のシグナル伝達系に伝達する仲介役の機能を持つ蛋白質。


*2 G蛋白質共役型受容体(GPCR): 細胞膜に存在し、細胞外からのシグナルを受け取り、受容したシグナルをG蛋白質に伝達する蛋白質。現在1万種以上が同定され、共通して7回膜貫通α-ヘリックス構造を持つ。


*3 ロドプシン: 動物の網膜の視細胞に含まれる赤色をした光受容体。7回膜貫通α-ヘリックス構造をもつ膜蛋白質で、蛋白質オプシンと低分子化学物質レチナールが結合したもの。ロドプシンは、光を受容するとレチナールが11-シス型から全トランス型に異性化し、活性状態になる。この活性状態がG蛋白質を介した情報伝達系を駆動し、視神経に興奮をおこさせ、光を認識する。


*4 アゴニスト、アンタゴニスト: 受容体と結合することによって受容体の活性化を誘起する化学物質をアゴニスト、結合するが活性化を誘起しない化学物質はアンタゴニストと言う。


*5 11-シス型、全トランス型レチナール: ビタミンAの誘導体。環構造に直鎖状の側鎖がついた構造をしている。ロドプシンには側鎖が曲がった形(11-シス型)のレチナールが結合しており、光を受容すると伸びた形(全トランス型)に変換され、活性状態になる。ビタミンAが不足すると夜盲症になるのは、ロドプシンが光を受容するのにビタミンAの誘導体を必要とするからである。