別紙



研究課題の概要


代表者氏名 所属機関、所属部署 役職 関係
制度名
研究課題名 課題概要
井上 晴夫 東京都立大学大学院工学研究科応用化学専攻 教授 CREST 水を電子源とする人工光合成システムの構築 これまでの研究では、特別の金属錯体への可視光照射により水分子から電子を取ることができることを見出した。高効率の光酸化還元物質変換系の構築に成功し、水分子がどのようにして金属錯体上で活性化されるかの分子機構を主に中間体の直接検出により明らかにした。二酸化炭素が高効率で光還元される反応系も見出した。
本研究課題では、エネルギー的にも物質循環の視点からも理想的な電子源としての水分子に着目し、水を電子源、酸素源とする錯体分子触媒による人工光合成型エネルギー変換、物質変換システムを構築する。
岡野 栄之 慶應義塾大学 医学部 生理学教室 教授 CREST 内在性神経幹細胞活性化による神経再生戦略 これまでの研究では、成人脳において神経幹・前駆細胞が存在することを先駆けて示し、成体脳におけるニューロン新生の3つのステップである、幹細胞の自己複製と活性化、中間的前駆細胞の増殖とニューロブラストの移動の調節、新生ニューロンのシナプス形成と成熟の解明を目指してきた。
本研究課題では、上記3つのステップの統合的理解、そのための可視化技術の開発と、遺伝学的・発生工学的研究手法の開発を含めた霊長類モデルの構築による再生医学への応用促進を目指す。
近藤 孝男 名古屋大学 大学院理学研究科 生命理学専攻 教授 CREST KaiCリン酸化サイクルによる生物時計の計時機構 これまでの研究では、転写も翻訳も停止する条件下でも、シアノバクテリアの時計蛋白質KaiCのリン酸化の概日リズムが持続することを報告し、このKaiCリン酸化サイクルが生物時計(概日時計)の真のペースメーカーであることを明らかにした。これは概日時計が時計遺伝子の転写と翻訳の基づくとする定説を覆す極めてインパクトの大きなものである。
本研究課題では、いかにして3つのKai蛋白質が安定した24時間の振動を発生し、時間を刻むかを分子レベルで解明し、生物時計の謎の最終解答を得ることを目指す。
清水 敏美 産業技術総合研究所 界面ナノアーキテクトニクス研究センター 研究センター長 CREST 超分子ナノチューブアーキテクトニクスとナノバイオ応用 これまでの研究では、10~100nm幅をもつ一次元中空シリンダー部をもつ脂質ナノチューブに関して、サイズ制御、形態制御、ナノチューブ1本の機械的物性解明、水相ナノ空間の水特性解明などを達成した。
本研究課題では、脂質ナノチューブの中空シリンダー部が有する特性に着目し、タンパク質などのナノバイオ構造体の包接と一次元組織化、さらにはナノバイオ分析デバイス実現のためのハイブリッドナノチューブ部品の創製を目指す。
辻井 潤一 東京大学 大学院情報学環 教授 CREST 次世代テキストマイニングの技術基盤に関する研究 これまでの研究では、Webに分散的に蓄積された巨大なテキスト集合を対象に、その効果的な収集、蓄積、検索、提示を行う技術の確立を目指した。
本研究課題では、言語の意味と知識を結びつける理解処理や、ひとつの文の境界線を越える文脈の処理等の技術開発を行うことで、意味と背景知識を統合した次世代のテキストマイニング技術を確立する。
長濱 嘉孝 自然科学研究機構 基礎生物学研究所 教授 CREST 性的可塑性の分子メカニズムに関する研究 これまでの研究では、性ステロイドホルモンや内分泌かく乱物質が成熟した雌雄異体魚の性を転換させることから、性的可塑性が発生初期の臨界期に限定されるのではなく、成体の生殖腺や脳でも保持されていることを発見した。また、試験管内での生殖腺の性転換にも世界に先駆け成功した。
本研究課題では、魚類(メダカと性転換魚など)を実験モデルに用いて、成体の生殖腺と脳(性行動)に保持されている性的可塑性の分子的基盤を明らかにすることを目指す。
新川 詔夫 長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 原爆後障害医療研究施設分子医療部門 教授 CREST 染色体構造異常を基盤とした疾病遺伝子の単離と解析 これまでの研究では、単因子病と染色体転座を合併して発症する疾病を対象に、転座切断点からStotos症候群、Marfan症候群等の疾病遺伝子の単離を行った。
本研究課題では、さらに多くの疾病遺伝子の単離を行い、医療上の貢献のみならず、遺伝子機能を利用した細胞生物学的発見を目指す。
野田 進 京都大学 大学院工学研究科 電子工学専攻 教授 CREST フォトニック結晶研究の新展開 ―さらなる究極と新たなデバイス展開を目指して― これまでの研究では、3次元および2次元フォトニック結晶に発光体や欠陥を人為的に導入することで、フォトニック結晶による発光や光伝播制御の可能性を様々に実証した。
本研究課題では、フォトニック結晶による光制御を更に深く追求し、全く新しい光源(不要な干渉効果がなく、高速・高効率動作可能な自然放出光源や各種ビームパターンをもつユニークな大面積コヒーレントレーザ等)の実現や量子演算等を可能とする新たな量子場の創出を目指す。
濱田 博司 大阪大学 大学院生命機能研究科 教授 CREST 体の極性の起源と対称性が破られる機構 これまでの研究では、どの時点で左右の対称性が破られるのか、非対称な形態形成はどのように起こるのか、という生物の発生の本質的な問題の解明を目指してきた。
本研究課題では、左右と前後(頭尾)という2つの体軸を題材にして、対称性が破られる機構や、体の極性がどれほど早い時期まで遡る事ができるのかを検証する
松本 邦弘 名古屋大学 大学院理学研究科 教授 CREST 発生神経系の情報伝達機構の解明から遺伝性疾患モデル系構築 これまでの研究では、TAK1カスケードが制御する発生・分化のシグナル伝達経路の解明を行ってきた。更に新規シグナル伝達因子群の発見と機能解析を進める過程で、アルツハイマー病やパーキンソン病等の原因遺伝子も見出した。
本研究課題では、遺伝性疾患原因関連因子に焦点を合わせ、これらの因子群による発生・分化・神経系のシグナル伝達制御機構を明らかにし、遺伝性疾患のモデル系構築を目指す。
相田 卓三 東京大学 大学院工学系研究科 化学生命工学専攻 教授 ERATO 分子プログラミングによる電子ナノ空間の創成と応用 これまでの研究では、特異なナノ空間の構築と機能開拓を目的に、これまでデンドリマーやメソポーラスシリカを対象とした研究を精力的に展開する一方で、超分子グラファイトナノチューブなど、独自のモチーフを構築し、ナノマテリアルデザインへの新しい道標を築いてきた。
本研究課題では、これらの知見をさらに進展させ、パイ電子系を中心とした機能分子の自己組織化を利用し、分子配列が空間特異的に制御された新規な電子・磁気・光機能性ソフトマテリアルを開拓する。「分子化学」と「物性物理学」の融合により、ナノ材料設計の基礎を築き、それらをもとに、柔軟性に富み、塗布などによる成形加工が容易で、デバイスのミニチュア化を可能にする次世代の機能性ナノ材料を創成する。
今井 浩 東京大学 大学院情報理工学系研究科 コンピュータ科学専攻 教授 ERATO 量子情報システムアーキテクチャ これまでの研究では、量子情報技術の基となる概念の構築、手法・要素技術の開発に重点を置き、情報科学・計算科学・物理学といった異なるアプローチから、理論研究を行いつつ、量子通信や量子暗号関連の実験も併せて行ってきた。
本研究課題では、理論と実験の有機的結合を源に、量子鍵配送システムについてその長距離化・高速化研究と耐エラー性を高める符号の設計など、量子計算について量子回路の構成・量子学習・量子分散プロトコルの研究開発を行い、基礎的な研究も合わせて将来に繋がる量子情報システムの実現を目指す。
小池 康博 慶應義塾大学 理工学部 物理情報工学科 教授 ERATO Fiber To The Display のためのフォトニクスポリマー これまでの研究では、光の偏波またはフォトンが、さまざまな高分子の鎖(オングストロームのオーダ)やその集合体(数百オングストローム)、高次構造、更に巨大な不均一構造との関わりを有するかを詳細に検討し、その基礎的研究から、光通信などのフォトニクス分野において、ガラスの代用ではなく、新しい光機能をもったフォトニクスポリマーを創製した。
本研究課題では、超低材料分散フォトニクスポリマー、完全ゼロ複屈折フォトニクスポリマーなどを新たに創出し、これら、フォトニクスポリマーが発現する新機能により、新規の高速通信ネットワークやディスプレイ技術に繋がるシステムを構築する。
御子柴 克彦 東京大学 医科学研究所 脳神経発生・分化分野 教授 ICORP カルシウム振動 これまでの研究では、IP3レセプターを発見し、その全構造を決定し、さらにIP3レセプターが細胞内のカルシウム振動を引き起こすことを見いだした。
本研究課題では、IP3レセプターの性質を分子・細胞レベルで解析して、IP3レセプターがいかにしてカルシウム振動を引き起こすのかの分子メカニズムを解明する。細胞の機能調節のメカニズムを明らかにし、将来的には病気の治療・予防法の確立を目指す。
新井 豊子 北陸先端科学技術大学院大学 材料科学研究科 助手 さきがけ 走査型相互作用分光顕微鏡による表面単一分子の力学・電子物性計測 これまでの研究では、探針-試料間電圧を変化させて、表面原子に局在した化学結合を支配する準位を原子レベルの空間分解能で解析する表面局在相互作用分光法を確立し、非接触原子間力顕微鏡と表面局在相互作用分光法の機能を併せ持つ走査型相互作用分光顕微鏡の開発を行った。
本研究課題では、表面局在相互作用分光法を単一分子系へ応用・展開し、電子・光デバイス機能を持つ固体表面上単一分子の構造や、単一分子界面での結合・電子物性などを、原子・分子スケールで解析し、ナノスケール加工技術への応用を目指す。
荒瀬 尚 大阪大学 微生物病研究所 免疫化学分野 助教授 さきがけ 感染症を制御する特異的免疫レセプターの解明 これまでの研究では、種々のウィルスが免疫細胞の発現している抑制化レセプターのリガンドを獲得することによる免疫逃避機構を持っていること、また、マラリア原虫が今までに知られていない新たな免疫逃避機構を持っていること等を明らかにした。
本研究課題では、これまでの研究の結果明らかにしてきたマラリア原虫の免疫逃避機構の分子メカニズムの全貌解明、および、マラリア原虫の持つ免疫逃避機構とマラリア感染抵抗性との関係を明らかにすることにより、マラリア感染制御のための新たな標的分子の解明を行う。また、HIVやHCV等の重要な感染症に関しても新たな免疫逃避機構の解明を行い、新規の感染症予防法および治療法の開発を目指す。
五十嵐 健夫 東京大学 大学院情報理工学系研究科 コンピュータ科学専攻 講師 さきがけ 思考支援とコミュニケーションのための3次元CG製作・利用技術 これまでの研究では、一般の人が3次元コンピュータグラフィックス(CG)を日常的な知的生産活動の道具として使えるようにすることを目指し、3次元的な表現を簡単に作成・操作するための基礎技術の開発を行ってきた。
本発展研究では、これらの成果を発展・統合させることにより実用的なシステムの構築を進め、3次元CGをより身近な道具にするという長期的な目標の実現を目指す。具体的には、応用を視野に入れて各要素技術の拡張を行うとともに、医療・建築・教育・スポーツ科学といった3次元的な表現を必要としている専門分野においてコミュニケーション支援の手段として使用できるような個別アプリケーションの研究開発を進める。
香取 秀俊 東京大学 工学系研究科 総合研究機構 助教授 さきがけ 原子間相互作用制御による量子もつれあい状態の形成 これまでの研究では、固体表面上での原子の並進運動制御の研究を進め、単一中性原子のコヒーレント操作に向けた新規な技術的基盤を得た。原子を用いる量子情報処理系の構築を目指すうえで次の大きなステップは、このような"よく運動制御された"原子間において量子相関を形成・制御することである。
本研究課題では、中赤外双極子遷移に由来する長距離・共鳴双極子相互作用の分光学的研究を行い、この機構に基づく"量子もつれあい状態"の形成のための実験的基礎を作る。これによって、原子を用いる量子情報処理の2つの重要な要素技術(1)原子の並進運動操作と(2)原子の量子相関操作、の統合を目指す。
久保田 直行 東京都立大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 助教授 さきがけ 人間との相互作用に基づくロボットの認知発達 これまでの研究では、パートナーロボットを開発し、模倣に基づくコミュニケーションの形成や、模倣から行動あるいはジェスチャーの獲得機構に関する検討を行った。近年、小学校等では、コミュニケーション能力の発達に関する問題が重視されている。
本研究課題では、人間とロボットとの経時的なコミュニケーションに基づく言語能力発達や認知発達の構成論的な解明を通し、人間との協調を目的としたロボットパートナーに関する学術的な新分野を確立する。
中村 佳正 京都大学 大学院情報学研究科 数理工学専攻 教授 さきがけ 特異値分解法の革新による情報処理基盤の構築 これまでの研究では、行列の特異値分解において、収束性と数値安定性の保証された大規模行列の特異値分解法I-SVDを確立した。
本研究課題では、より高速な並列型特異値分解ライブラリを開発し、高速・高精度で信頼性の高い特異値分解ライブラリ群を作成することにより、リアルタイムの高精度医療画像処理を含む様々な情報処理・情報検索ソフトウェア開発の環境を整える。
濡木 理 東京工業大学 大学院生命理工学研究科 生命情報専攻 教授 さきがけ 遺伝暗号翻訳装置の機能的統合および機能的分散の構造的基盤の解明 これまでの研究では、tRNAの成熟(プロセシング、転写後修飾、アミノアシル化)を触媒する酵素群の個々の立体構造およびtRNA前駆体との複合体の立体構造を決定した。
本研究課題では、これらの酵素群が超分子複合体を形成し、統合された一連の機能を効率よく遂行する構造的基盤を解明する。加えて、アミノアシルtRNA合成酵素とその補因子が、恒常的な蛋白質生産を営みながら、機能的に分散して異常細胞のプログラム死・免疫系の活性化・組織の再形成に働く構造的基盤を解明する。
野口 祐二 東京大学 先端科学技術研究センター 講師 さきがけ 欠陥誘起ナノドメインによる新規リラクサ強誘電体の開発 これまでの研究では、層状構造を持つ遷移金属酸化物を対象として、格子欠陥を電子・原子レベルでの局所構造を考慮して積極的に導入・利用する「欠陥エンジニアリング」により新規な強誘電材料を開拓した。
本研究課題では、3次元構造をもつペロブスカイト型強誘電体に、2次元的な層状欠陥を導入するという従来にない材料設計指針を提案し、新規な次元融合リラクサ強誘電体を開発する
橋本 浩一 東北大学 大学院情報科学研究科 システム情報科学専攻 教授 さきがけ 超分散マイクロアクティブセンシング これまでの研究では、ゾウリムシ1個体のトラッキング、電気走性モデルの構築、運動制御、状態観測等の、ゾウリムシの運動制御に関する研究を行った。
本研究課題では、これまでに得られた運動制御の知見に基づいて、微生物群を用いて微量物質や微小光を検知できるアクティブセンシングシステムの実現を目指す。
平井 宏和 金沢大学 学際科学実験センター 革新脳科学プロジェクト研究領域 助教授 さきがけ 脊髄小脳変性症の根治的遺伝子治療法の開発 これまでの研究では、小脳の80%近いプルキンエ細胞にレンチウイルスベクターを用いて遺伝子を発現させる方法を開発した。この方法を用いて、発達期の神経細胞にのみ存在する新規蛋白質(CRAG)がポリグルタミンを完全分解することを見いだした。
本研究課題では、本遺伝子導入法を用いたポリグルタミンの分解による脊髄小脳変性症根治を目指す。
藤原 徹 東京大学生物生産工学研究センター 助教授 さきがけ ホウ素耐性生物の育成と利用 これまでの研究では、新たなホウ素輸送体やモリブデン輸送体を同定し、複数のトランスポーターによる植物のホウ素輸送制御機構を分子レベルで明らかにし、モデル植物シロイヌナズナのホウ素栄養特性の改善に成功した。また、ホウ素毒性の分子機構を明らかにすると共に、 高濃度のホウ素に耐性を示す生物(細菌)を複数同定した。
本研究課題では、有用作物のホウ素栄養特性の改善と、ホウ素要求性微生物からのホウ素結合物の同定について研究を行う。ホウ素耐性の分子機構や結合物 を同定することによって、結合物を利用したホウ素の汚染水等からの除去に道を開くことができる。
二木 史朗 京都大学化学研究所生体機能化学研究系生体機能設計化学領域 助教授 さきがけ 細胞を標的とする送達ペプチド:機能解析と制御 これまでの研究では、アルギニンペプチドの取り込みにはマクロピノサイトーシスと呼ばれる特殊なエンドサイトーシスが関与していることや、細胞骨格タンパク質であるアクチンの形態が変化することを見出し、アルギニンペプチドが細胞表層と相互作用することにより、細胞内での情報伝達系を活性化する可能性を見出した。
本研究課題では、様々なアルギニンペプチド類縁体の合成を通してこの効率的輸送を可能とする生理的機序を明らかとするとともに、機序の理解に基づいた合理的かつ効果的な標的細胞への薬物送達系を確立する。
水島 昇 東京都医学研究機構 東京都臨床医学総合研究所 代謝制御研究部門 副参事研究員 さきがけ オートファジーによる細胞内クリアランス機構 これまでの研究では、飢餓や出生によって激しく誘導されるオートファジー(自食作用)が栄養自給システムとして重要であることを示した。一方で、恒常的におこっている低いレベルのオートファジーも細胞内タンパク質の品質管理に貢献している証拠を見いだした。
本研究課題では、原則として非選択的でありながらもオートファジーが細胞内品質管理を担える仕組み、さらに変性疾患や加齢に伴う細胞内異常タンパク質蓄積抑止におけるオートファジーの役割を明らかにすることを目指す。
湯浅 新治 産業技術総合研究所 エレクトロニクス研究部門 研究グループ長 さきがけ MgO障壁TMR素子の高性能化と次世代MRAMへの応用 これまでの研究では、画期的な新材料である結晶性の酸化マグネシウム(MgO)をトンネル障壁に用いた新型のTMR素子を開発し、室温で230%という世界最高の磁気抵抗を実現した。
本研究課題では、この新型TMR素子の磁気抵抗の更なる向上のための研究を行い、室温で500%以上の実現を目指す。また、低抵抗のTMR素子を研究し、次世代の超高密度ハードディスク用磁気ヘッドへの応用も目指す。さらに、MgOトンネル障壁を介したコヒーレントなスピン依存トンネルの物理機構を解明する。
吉崎 悟朗 東京海洋大学 海洋科学部 助教授 さきがけ 魚類精原幹細胞株からの個体の作出 これまでの研究で、成魚の精巣内に含まれる精原幹細胞は卵にも分化可能であること、すなわち性的可塑性を有する事を明らかにした。
本研究課題では、この性的可塑性を有する魚類精原幹細胞をin vitroで培養する技術を確立し、得られた培養細胞を宿主個体に移植することで、これを卵・精子へと分化させ、最終的には受精を介して個体へと改変する技術の樹立を目指す。