科学技術振興機構報 第161号

平成17年 3月22日

東京都千代田区四番町5−3
科学技術振興機構(JST)
電話(03)5214-8404(総務部広報室)
URL http://www.jst.go.jp

失敗知識データベースの一般公開を開始

 JST(理事長 沖村憲樹)は、平成17年3月23日(水)より「失敗知識データベース」を以下のURLから無料で一般公開します。
 このデータベースは以下のような特徴を備えており、単なる事故事例データベースとは異なり、失敗事例を分析して教訓を抽出し、知識として活用できるようなデータベースを目指して開発しました。(事業統括:畑村 洋太郎 工学院大学教授)
1失敗の原因、行動、結果を分類して体系化した「失敗まんだら」と、それに基づいて失敗に至る脈絡を記述する「シナリオ」という表現法を開発。(図1〜4)
2機械、材料、化学物質・プラント、建設の4分野で約1,000件のデータを搭載。
3「失敗百選」として失敗事例の中から国内外の典型的な事例を100例程度取り上げ、読みやすく記述。


(解 説)

 JSTでは、科学技術分野の事故や失敗を未然に防止し、技術の信頼性と社会の安全性の向上に資するため、科学技術分野の事故や失敗の事例の収集と分析を行い、事例の分析で得られる教訓を共有できる知識として整理し、これらを収録する失敗知識データベースの整備を進めてきました。本事業は、文部科学省が開催した「失敗知識活用研究会」(会長:佐藤文夫 株式会社東芝相談役)において取りまとめられた報告書(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/001/toushin/010801.htm)における提言「失敗経験から獲得された新たな知識・データ等を構造化したデータベースの構築」を受け、推進しています。

 これまで、畑村統括を委員長とする失敗知識データベース推進委員会において、科学技術分野における失敗事例の収集を行うとともに、データベースの仕様や分析方法を検討し、平成15年3月より試験公開を行って利用者からのご意見をいただいて参りました。
 失敗知識データベース〔一般公開版〕は、分かり易いシンプルなデザインに一新し、試験公開版にあったキーワードによる検索、失敗まんだらによる検索に加えて、個々の失敗事例に"機械""化学""建設"等の「カテゴリー」を付与して、このカテゴリーによって検索できるようにしました(図5)。検索結果の一覧では、事例ごとに付与された「代表図」により事例内容の直観的理解の向上を図っています。
 表1に失敗事例の主なデータ項目、表2に失敗百選のタイトル例を示します。また、失敗百選の例を添付します。

 この一般公開により、多くの方が過去に発生した失敗事例から有用な知識を得られ、事故や失敗の未然防止や、技術研修・技術学習等に活用されることを期待します。

図1 失敗まんだら(原因)
図2 失敗まんだら(行動)
図3 失敗まんだら(結果)
図4 シナリオ
図5 トップページ
表1 失敗事例の主なデータ項目
表2 失敗百選のタイトル例
失敗知識データベース‐失敗百選(PDF)
「動燃アスファルト固化処理施設における火災爆発事故」

<お問い合わせ先> 科学技術振興機構 データベース開発部 技術者能力開発情報部門
久米 敏雄(くめ としお)、河村 昌哉(かわむら まさや)
TEL:03-5214-8456、FAX:03-5214-8470、E-mail: