1.プログラムの趣旨
地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS:Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development)は、開発途上国のニーズを基に、地球規模課題を対象とし、社会実装の構想を持つ国際共同研究を政府開発援助(ODA)と連携して推進することによって、地球規模課題の解決および科学技術水準の向上につながる新たな知見や技術を獲得することやこれらを通じたイノベーションの創出を目的としています。また、その国際共同研究を通じて開発途上国の自立的研究開発能力の向上と課題解決に資する持続的活動体制の構築を図ります。
SATREPSは、日本政府が推進する科学技術外交における重要なプログラムであり、単なる基礎研究や応用研究に関する支援ではなく、相手国の課題・ニーズに応える科学技術の社会実装を進め、相手国の科学技術イノベーションに貢献することにより、日本と相手国の外交関係強化に寄与し、また日本の国益にも資することを目標としているプログラムです。
2.令和元年度募集の概要
- (1)研究分野および研究領域
- 環境・エネルギー分野 研究領域「地球規模の環境課題の解決に資する研究」
- 環境・エネルギー分野 研究領域「低炭素社会の実現に向けた先進的エネルギーシステムに関する研究」
- 生物資源分野 研究領域「生物資源の持続可能な生産と利用に資する研究」
- 防災分野 研究領域「持続可能な社会を支える防災・減災に関する研究」
- (2)研究期間
- 原則として3~5年。
- (3)研究経費(JST予算)
- 1研究課題あたり年間3,500万円程度(間接経費を含む)。
(研究期間中の研究費総額は、5年間計画であれば1.75億円以内) - ODA経費(JICA予算)
(研究員派遣、外国人研究員招聘、機材供与、現地での活動経費など)
1研究課題あたり年間6,000万円程度。
(研究期間中の経費総額は、5年間計画であれば3.0億円以内)
- 1研究課題あたり年間3,500万円程度(間接経費を含む)。
3.これまでの研究実施国および実施課題数
平成20年度の事業開始以降、環境・エネルギー/生物資源/防災/感染症※1)分野において、50ヵ国と135課題※2)の国際共同研究を推進してきました。
- ※1)感染症分野の研究課題については、AMED設立時(平成27年4月1日)に、平成26年度までに終了した研究課題を除いてAMEDに移管しました。
- ※2)当該国数および課題数には、平成27年度以降AMEDで採択された感染症分野の研究課題は含みません。なお、平成27年度以降AMEDで採択された感染症分野の研究課題を含めると、計51ヵ国/145課題となります。
平成20年度~令和元年度(平成31年度) 採択課題の研究領域別国分布
- 色付き部:令和元年度新規採択課題、○:SATREPS新規国、【 】内は新規採択課題数(内数)
- ※1)ベトナム/カンボジア/タイの3ヵ国との共同研究 ※2)チュニジア/モロッコの2ヵ国との共同研究
- ※3)アルゼンチン/チリの2ヵ国との共同研究 ※4)フィリピン/インドネシアの2ヵ国との共同研究
- ※5)ザンビア/コンゴ民の2ヵ国との共同研究
アジア | 環境 | 低炭素 | 生物資源 | 防災 | (参考) 感染症 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
インド | 4 | 2 | 1 | 1 | ||||
インドネシア共和国 | 17※4 | 4※4 | 5 | 3 | 2 | 3 | ||
カンボジア王国 | 2※1 | 1 | 1※1 | |||||
スリランカ民主社会主義共和国 | 2 | 1 | 1 | |||||
タイ王国 | 16※1 | 5 | 3 | 5※1 | 1 | 2 | ||
ネパール連邦民主共和国 | 2 | 1 | 1 | |||||
バングラデシュ人民共和国 | 3 | 2 | 1 | |||||
フィリピン共和国 | 8※4 | 1※4 | 1 | 3 | 3 | |||
ブータン王国 | 2 | 2 | ||||||
ベトナム社会主義共和国 | 11※1 | 2 | 2 | 4※1 | 1 | 2 | ||
マレーシア | 7 | 2 | 3 | 1 | 1 | |||
ミャンマー連邦共和国 | 2 | 1 | 1 | |||||
モンゴル国 | 3 | 1 | 2 | |||||
ラオス人民民主共和国 | 1 | 1 | ||||||
小計 | 77【8】 | 18 | 14 | 15 | 16 | 14 | ||
アフリカ | 環境 | 低炭素 | 生物資源 | 防災 | (参考) 感染症 |
|||
アルジェリア民主人民共和国 | 1 | 1 | ||||||
エジプト・アラブ共和国 | 1 | 1 | ||||||
エチオピア連邦民主共和国 | 2 | 1 | 1 | |||||
カメルーン共和国 | 3 | 1 | 1 | 1 | ||||
ガボン共和国 | 2 | 1 | 1 | |||||
ガーナ共和国 | 3 | 1 | 2 | |||||
ケニア共和国 | 5 | 1 | 2 | 2 | ||||
コンゴ民主共和国 |
1※5 | 1※5 | ||||||
ザンビア共和国 | 4※5 | 1 | 3※5 | |||||
ジブチ共和国 | 1 | 1 | ||||||
スーダン共和国 | 3 | 3 | ||||||
タンザニア連合共和国 | 1 | 1 | ||||||
チュニジア共和国 | 2※2 | 2※2 | ||||||
ナミビア共和国 | 1 | 1 | ||||||
ブルキナファソ | 2 | 1 | 1 | |||||
ボツワナ共和国 | 1 | 1 | ||||||
マダガスカル共和国 | 1 | 1 | ||||||
○ | マラウイ共和国 | 1 | 1 | |||||
南アフリカ共和国 | 4 | 1 | 1 | 1 | 1 | |||
モザンビーク共和国 | 1 | 1 | ||||||
モロッコ王国 | 1※2 | 1※2 | ||||||
小計 | 39【3】 | 10 | 6 | 11 | 3 | 9 | ||
中南米 | 環境 | 低炭素 | 生物資源 | 防災 | (参考) 感染症 |
|||
アルゼンチン共和国 | 1※3 | 1※3 | ||||||
エルサルバドル共和国 | 2 | 1 | 1 | |||||
コロンビア共和国 | 2 | 1 | 1 | |||||
チリ共和国 | 3※3 | 1※3 | 1 | 1 | ||||
パナマ共和国 | 1 | 1 | ||||||
ブラジル連邦共和国 | 6 | 3 | 1 | 2 | ||||
ペルー共和国 | 1 | 1 | ||||||
ボリビア多民族国 | 2 | 1 | 1 | |||||
メキシコ合衆国 | 4 | 1 | 2 | 1 | ||||
小計 | 21【1】 | 6 | 1 | 7 | 4 | 3 | ||
その他 | 環境 | 低炭素 | 生物資源 | 防災 | (参考) 感染症 |
|||
アフガニスタン・イスラム共和国 | 1 | 1 | ||||||
ウクライナ | 1 | 1 | ||||||
クロアチア共和国 | 1 | 1 | ||||||
セルビア共和国 | 1 | 1 | ||||||
ツバル | 1 | 1 | ||||||
トルコ共和国 | 2 | 1 | 1 | |||||
パラオ共和国 | 1 | 1 | ||||||
小計 | 8 | 4 | 0 | 1 | 2 | 1 | ||
合計 | 51ヵ国/145課題【12】 (感染症分野含む) |
※左記のうちJSTにおける継続課題は31ヵ国/56課題 (令和元年度新規採択課題含む/感染症分野を除く) |