<用語解説>

注1) ナノグラニュラー物質
 ナノメートル程度の大きさの微粒子が、異なる物質の中に多数埋め込まれているような構造を有する物質。1種のナノ粒子集合体であるが、ナノ粒子1つ1つは異なる物質で囲まれていることが特徴。
注2) 強磁性単一電子トンネル素子
 1ナノメートル程度の薄い絶縁体を金属電極で挟むと、電子はトンネル効果によって絶縁体を通り抜け、電気がある程度流れるようになる(トンネル素子)。さらに、金属電極の大きさもナノメートル程度まで小さくすると、電子1個1個のトンネル移動が全体的な電気の流れに大きな影響を及ぼすようになる。そのような素子を単一電子トンネル素子という。金属電極として磁性体を使った場合を特に強磁性単一電子トンネル素子と呼び、単一電子トンネルに加えて、電子スピンに由来する特異性が電気の流れに現れる。
注3) キュービット
 量子演算(量子状態を利用した計算方式)における基本単位で、量子ビットとも言う。古典ビットは「0」か「1」の2つの状態しか取らないが、キュービットはその2つの量子的重ね合わせ状態も取ることが出来る。