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別紙1

e-ASIA共同研究プログラム 「代替エネルギー」分野 一覧

課題名 研究代表者 所属・役職 課題概要
サトウキビ収穫廃棄物の統合バイオリファイナリー 日本渡辺 隆司 京都大学
生存圏研究所 教授

本研究は、サトウキビ廃棄物を原料として多様な有用化学品をつくることにより、既存の製糖工場やエタノール工場をバイオリファイナリー工場に再構築し、持続発展可能な地域社会の創成に貢献することを目的とする。

具体的には、日本側チームは、バイオマスの精密構造解析を基に、有用化学品生産に適した変換プロセスを開発するとともに、全体プロセスのライフサイクルアセスメント(LCA)解析を行う。タイ側チームは、高活性多糖分解酵素、合成生物学を用いた酵母のセルファクトリー構築、乳酸、イソブタノールの生産研究を行う。インドネシア側チームは、リグニンからの界面活性剤の合成、キシランからのキシリトール生産を研究する。ラオス側チームは、物理化学的前処理法やメタン発酵プロセスの開発を行う。

4ヵ国のチームによる相補的な共同研究を通して、経済性の高いバイオマスの成分分離技術、高機能セルファクトリー、高効率な燃料や化学品への変換プロセスを構築し、地域社会に成果が還元されて持続発展可能な社会の基盤形成に寄与することが期待される。

タイ ヴェラワット・チャンプレダ タイ国立遺伝子生命工学研究センター ユニットリーダー
インドネシアウイス・ヘルミアティ インドネシア科学院
生物材料研究センター グループリーダー
ラオス エナクホーン・コウンヴィレイ ラオス国立大学 工学部化学工学科 部門長
ASEAN地域の持続可能な発展を目指した藻類からのバイオエネルギー開発 日本 アルマンド・キタイン 熊本大学
グローバル教育カレッジ 教授

本研究は、藻類を原料として、ASEAN地域に適用可能な各種バイオエネルギーを製造するプロセスおよびシステムの開発を目的とする。

具体的には、日本およびタイ側チームは、固体触媒を用いて藻油からエステル化・エステル交換反応によってバイオディーゼルを製造する技術を開発する。フィリピン側チームは、プロセスシステム工学に基づき開発プロセスの持続可能性を評価する。インドネシア側チームは、バイオ燃料の生産に適する藻類を選定・培養・回収する技術を開発する。

各国の強みを生かした独自技術を有機的に連結し、マイクロ波/超音波/超臨界流体/触媒を組み合わせた低環境負荷技術を用いてバイオ燃料の製造プロセスを開発し、ASEAN地域の持続可能な発展に資することが期待される。

タイ スティチャイ・アッサバンルングラト チュラロンコン大学
工学部 化学工学科 教授
フィリピン レーモンド・タン デラサール大学
持続的開発・工学研究センター 教授
インドネシア シティ・ズライカ スラバヤ工科大学
工学部 化学工学科 助教

※氏名に下線のある研究者が研究チームリーダー