課題名 | 日本側 研究代表者 |
所属・役職 | 課題概要 | |
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イスラエル側 研究代表者 |
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1 | 先進ICTを用いた淡水生態系復元力の監視 | 熊谷 道夫(クマガイ ミチオ) | 立命館大学 総合科学技術研究機構 上席研究員 |
本研究は、飲料水源である淡水湖沼の監視や現状把握、管理に必要な変動予測を行う先進的ICTの開発を目指している。具体的には(1)ASV(自律型水面ロボット)を用いた毒性シアノバクテリアの監視(2)now-casting(即時予報)を用いた水圏生態系の予測(3)nonlinear causality analysis(非線形因果解析)を用いた生態系復元力のリスク評価(4)SNSを用いた関係者へのリスク周知である。我々は過去20年間にわたって技術開発を行っており、それらの成果をコンパクトな単一システムへ統合する。このシステムを琵琶湖(日本)とキネレット湖(イスラエル)において試行し、成果を市民や関係機関に開示する。将来的には同様な被害に悩む世界各地の淡水湖沼の管理に貢献することが期待される。 |
イリア・オストロフスキィ | イスラエル海洋湖沼学研究所 キネレット湖沼学研究室 教授 |
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2 | 観光客の流動パターンの把握と避難経路情報の提供 | ヤン・ディャク・シュマッカー | 京都大学 大学院工学研究科 准教授 |
観光客は大きく混乱した状況に対して極めて脆弱である。本研究では、観光客が広範囲に散在した状況を対象とし、まず低コストかつ低エネルギーのセンシング技術に焦点を置き、入手した種々のデータから観光客の流動パターンを識別するモデルを開発する。また、混雑発生の短期的予測を行うとともに、自然災害などの脅威に備えた適切な避難経路のデザイン手法の開発も目指す。最終的に携帯電話ネットワークとは独立させるべく、Wi-FiセンサーやBluetoothセンサーを用いて観光客向けに避難情報を提供する。実験は異なるセンシング技術や流動推定モデルを比較しながら、京都とテルアビブで実施する。これにより、現在位置に応じた適切な避難情報の迅速な提供と、非常時の安全な避難実現が期待される。 |
ユーバル・ハダス | バーイラン大学 経営管理学部 上級講師 |
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3 | 低機能ロボット群による環境外乱に頑健で継続的な自律的組織化システム構築手法 | 大下 福仁 (オオシタ フクヒト) |
奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 准教授 |
本研究では、多数の低機能ロボットが、外乱の多い環境下において安定的に作業を実行するために要求される機能とアルゴリズムの確立を目指す。具体的には、以下の研究課題に取り組む。(1)障害物の存在、有限の電力など、実環境で重要な要素を取り入れたロボットシステムの抽象モデルを構築し、作業の実行に必要なロボット機能と、作業を効率よく実行するアルゴリズムを明らかにする。(2)抽象モデルにおけるロボット機能を、実ロボットに効率よく実装する方法を明らかにする。これにより、高価な高機能ロボットに匹敵する機能を、安価な低機能ロボット群で実現することができ、被災地域などでの活用が期待される。 |
シュロミ・ドレフ | ネゲブ・ベングリオン大学 計算機科学研究科 教授 |