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別紙

サイエンスアゴラ2017について

「サイエンスアゴラ」は、あらゆる人に開かれた、科学と社会をつなぐ広場です。「サイエンスアゴラ2017」では、分野、年代、性別、職業、国籍の境界を越えて多様な人たちが集い、トップ科学者との対話、市民参加の科学討論、子ども向けの理科実験などを通して、これからの「社会とともにある科学」、「科学とともにある社会」のあり方を皆で考え、行動します。

新ビジョン「科学とくらし ともに語り 紡ぐ未来」

サイエンスアゴラは、今後数年かけて実現すべきビジョンを設定しています。2016年12月からの新しいビジョンは「科学とくらし ともに語り 紡ぐ未来」です。20世紀の科学技術は富や力の追求と並行して発展してきました。しかし、限りある地球資源と世界のひずみを前に、今日の科学技術には限界も見え始めています。

とくに成長社会から成熟社会へと移行し、多くの問題を抱え先行きの見えにくい今の日本では、関係者が集う場をつくり、科学と社会のこれからをともに考え、互いの考えを尊重して未来を創っていくことが必要であり、その文化を育てていきたいと考えています。

また、ともに考え、行動するあり方は、国・地域や文化によって多様であり、日本ならではの方法を模索したいと考えています。

テーマ「越境する」

社会の新しい価値に気づき、現代の多様な問題を解決するためには、ひとつの学問分野や立場、世代の知恵だけでは十分ではありません。すでに、さまざまな壁を越えて人々の知恵を紡ごうとする動きは見え始めています。

JSTは、2016年12月からのビジョン「科学とくらし ともに語り 紡ぐ未来」を実現し、新しいイノベーションを生み出すためのひとつの方法として「越境する」ことの重要性に注目しました。私たちひとりひとりが心豊かに生きていくために科学技術をどう取り入れていくのか、科学技術には何ができるのか、学問分野、立場、国、文化、世代の壁を越えてともに考え、明日への一歩につなげる場としましょう。

<サイエンスアゴラ2017 開催概要>

日程 平成29年11月24日(金)から26日(日)
10:00~16:00(初日は12:45~18:00)
場所 テレコムセンタービル(東京都江東区青海2丁目5−10)、シンボルプロムナード公園(東京都江東区青海1・2丁目)(いずれも東京都・お台場地域)
主催 国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)
参加費 無料(一部、材料費などの実費をいただく場合があります)
参加方法 当日参加自由ですが、来場の際には必ず1階総合受付にて来場者パスをお受け取りください(来場者パスをお持ちでない方はご入場いただけません)。一部、事前参加登録が必要な企画があります。各企画の事前参加登録の有無や登録方法はWEBサイトでご確認ください。
「サイエンスアゴラ」WEBサイト
https://www.jst.go.jp/csc/scienceagora/
共催 日本学術会議、国立研究開発法人 理化学研究所、国立研究開発法人 産業技術総合研究所、東京臨海副都心グループ、特定非営利活動法人 natural science、国立大学法人 東北大学 災害科学国際研究所、神戸市、福岡市科学館、特定非営利活動法人 産学連携推進機構、株式会社早川書房、セコム株式会社
協力 株式会社フジテレビジョン、UDトーク、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社、KIRIN、国立大学法人 京都工芸繊維大学 KYOTO Design Lab [D-lab]
後援 内閣府、文部科学省、経済産業省、一般社団法人 日本経済団体連合会、一般社団法人 東京臨海副都心まちづくり協議会 (*2017年9月現在)

以下、「サイエンスアゴラ2017」の多様な企画の一部をご紹介します(いずれの企画も、企画タイトル・登壇者などが変更になる場合があります)。

★ 基調講演(同時通訳・日本語字幕あり)

■開催日時 11月24日(金)13:45~15:00
■開催場所 テレコムセンタービル 8F 会議室エリア 会議室B
主催 科学技術振興機構
■登壇者

ムハマド・ユヌス(Muhammad Yunus)
(2006年ノーベル平和賞受賞・グラミン銀行創設者・経済学者)

ムハマド・ユヌス氏

貧困ゼロ・失業ゼロ・総炭素排出量ゼロの世界の実現を目指し、「技術、若者、良い政府、ソーシャルビジネス」の力を結ぶことに尽力されています。貧困など社会の深刻な問題に目を向ける若者が、学問分野、立場、国、文化、世代の壁を越えて協力を生み出せる「問題解決の起業家」へと変わる機会を、学術界が作っていくことの重要性について語っていただく予定です。

ドゥイコリタ・カルナワティ(Dwikorita Karnawati)
(インドネシア ガジャ・マダ大学 前学長)

ドゥイコリタ・カルナワティ氏

学生・教員と地域コミュニティの協働を積極的に作り出し、画期的な地すべりの早期警戒システムの構築を通じて新たな災害対策を生み出すなど、地域に密着して活動。科学者が社会の中で果たすべき使命とは何かを迫力ある実例で語ります。

★ キーノートセッション&注目企画

キーノートセッション1「貧困×ジェンダー」

科学コミュニケーションセンター

日本では6人に1人が相対的貧困にあり、ひとり親家庭、特に母子家庭でその傾向が顕著です。また、若者の貧困は未来の社会に大きな影響を与えます。国際的な最重要課題でもある貧困は科学技術によって解消できるのか、その可能性を探ります。

■開催日時 11月24日(金)15:15~16:30 同時通訳・日本語字幕あり
■開催場所 テレコムセンタービル 8F 会議室エリア 会議室B
主催 科学技術振興機構 科学コミュニケーションセンター

キーノートセッション2「科学で持続可能な未来都市をつくろう!~SDGs達成で変わる世界~」

SDGs

近未来の人々が暮らす「持続可能な都市」の実現に資する科学技術とは? 世界人口の7割が都市に住む2050年を見据え、水・エネルギー・食糧・防災・交通などの課題解決に向けた国や産学官を越えた取り組みから議論を深めます。

■開催日時 11月24日(金)16:45~18:00 同時通訳・日本語字幕あり
■開催場所 テレコムセンタービル 8F 会議室エリア 会議室B
主催 科学技術振興機構 STI for SDGsタスクチーム

キーノートセッション3「宇宙での生命と有機物探査:たんぽぽ計画とアストロバイオロジーの今後の展開」

国際宇宙ステーションの外側で実施された「たんぽぽ計画」。地球の微生物は宇宙で生き残れるのか、宇宙塵の成分はどういうものか。実験結果を通じて明らかになった事実とは?

■開催日時 11月25日(土)10:30~12:30 日本語字幕あり
■開催場所 テレコムセンタービル 8F 会議室エリア 会議室A
主催 国際宇宙ステーション曝露部実験たんぽぽチーム(東京薬科大学、JAXA、他)

キーノートセッション4「人工知能(AI)との共生 ~人間の仕事はどう変化していくのか?~」

AIの研究者や人文社会科学系の研究者など、第一線で活躍する専門家が、人間の暮らしに最も密接なもののひとつである「仕事」を中心にトークセッションを行います。AI時代を生きるために今できることを、一緒に考えてみませんか。

■開催日時 11月25日(土)13:30~15:00 日本語字幕あり
■開催場所 テレコムセンタービル 8F 会議室エリア 会議室A
主催 科学技術振興機構 戦略研究推進部

キーノートセッション5「うちの子、少し違うかも…II ~エビデンスに基づく発達障害支援をみんなで考える~」

RISTEX

発達障害児とその保護者・家族などに対する、エビデンスや科学的知見に基づいた、家庭・学校・地域・行政などにおける支援のしくみや最新の取り組みを紹介。さまざまな障壁を乗り越え、改善していくための具体的方法について、分野・領域を超えて考えます。

■開催日時 11月26日(日)10:15~12:30 日本語字幕あり
■開催場所 テレコムセンタービル 8F 会議室エリア 会議室B
主催 科学技術振興機構 社会技術研究開発センター(RISTEX)

キーノートセッション6「ゲノム編集時代の生殖医療と私たち」

日本学術会議

ゲノム編集により子の遺伝子を改変する生殖医療が可能な国がある一方、日本では法整備が進んでいません。今後、日本が進むべき方向を含め多角的に論じます。

■開催日時 11月25日(土)13:30~15:00 日本語字幕あり
■開催場所 テレコムセンタービル 8F 会議室エリア 会議室B
主催 日本学術会議

注目企画一覧

★ サイエンスアゴラ2017企画委員会・審査委員会

サイエンスアゴラ2017企画委員会

委員長 小野 芳朗 (京都工芸繊維大学 副学長、KYOTO Design Lab ラボ長)
委 員 岡田 栄造 (京都工芸繊維大学 教授)
委 員 平井 康之 (九州大学 芸術工学研究院 教授)
委 員 中西 忍  (科学技術振興機構 日本科学未来館 事業部長)
委 員 柴田 孝博 (科学技術振興機構 科学コミュニケーションセンター 事務局長)

サイエンスアゴラ2017プログラム審査委員会

委員長 渡辺 美代子(科学技術振興機構 科学コミュニケーションセンター センター長)
委 員 東原 和成 (東京大学 教授)
委 員 南澤 孝太 (慶応義塾大学 准教授)
委 員 藤原 聖子 (東京大学 教授)
委 員 廣常 啓一 (新産業文化創出研究所 所長)
委 員 森田 由子 (科学技術振興機構 日本科学未来館 科学コミュニケーション専門主任)
委 員 島津 博基 (科学技術振興機構 研究開発戦略センター ユニットリーダー)

★ 2017年、サイエンスアゴラのロゴマークが変わります

2016年12月、サイエンスアゴラのビジョンが「科学とくらし ともに語り 紡ぐ未来」に刷新されたことに伴い、2006年から使用してきたロゴマークをリニューアルするプロジェクトが始動しました。サイエンスアゴラ会期中、1F アゴラエリアの特設コーナーで新しいロゴマークのデザイン候補をお披露目し、同時に、「サイエンスアゴラはあなたにとってどんな場所ですか?」というアンケートを実施します。みなさんの声をお聞かせください。

★ 昨年大人気だったタッチラリーを今年も実施します

2016年に続き、産業技術総合研究所(産総研)・科学技術振興機構(JST)コラボ企画の「タッチラリー」を実施します。タッチラリーは、紙のスタンプ帳の代わりに、非接触式IDカード『FeliCa』を埋め込んだ来場者パスを用い、各チェックポイントに設置されている専用端末に、来場者パスをタッチする方法で行います。各チェックポイントは、タッチラリーに参加する企画提供者のブースやセッション受付となります。タッチラリー参加企画は、サイエンスアゴラのプログラムなどで案内を行います。

★ 市民が積極的に参加するサイエンスアゴラ、9割以上が「また参加したい」

2016年11月に開催したサイエンスアゴラ来場者は、親子連れなどが約6割、事業者が約2割、科学者が約1割と、さまざまな立場の方々の注目を集めました。来場者アンケート(回答者数1,025)では9割以上が再度の来場を希望。来場して良かったか、の問いにも9割以上が「良かった」「まあまあ良かった」と回答、高い満足度を示しています。

★ 全国6か所でサイエンスアゴラの連携企画を実施

JSTは、日本全国に対話・協働の場を広げたいと考えています。今年はサイエンスアゴラの活動に賛同し、未来をともに考える場をつくりたいと考える仲間が増えました。以下の連携企画にもぜひご注目ください。