(資料4)

新規採択研究代表者および研究課題概要


研究領域:「脳科学と教育」 (タイプII)
  研究総括:小泉 英明((株)日立製作所 フェロー)
代表者氏名 機 関 名 所属部署名 役職名 研究課題名 研究課題概要
安藤 寿康 慶應義塾大学 文学部 教授 双生児法による乳児・幼児の発育縦断研究 本研究は子どもの身体的、心理行動的、脳生理学的な特性の正常な、あるいは問題のある発達に関わる遺伝要因と環境要因の相互作用の過程を、双生児法を用いて明らかにすることを目的とする。そのために東京都とその隣接県で2004年11月から2006年3月にかけて出生する全双生児の50%にあたる約2000組のコホートサンプルを構築し、5年間の縦断発育調査を実施、個人の遺伝的素質に適合する教育システムの設計の可能性を考察するための基礎的な情報を得る。
神尾 陽子 九州大学 大学院人間環境学研究院 助教授 社会性の発達メカニズムの解明:自閉症スペクトラムと定型発達のコホート研究 本研究は、「社会性」の発達メカニズムの解明を目的に、社会的障害を主症状とする自閉症スペクトラムと、定型発達について、乳幼児期からの行動学的評価と非侵襲的脳機能計測による前向きなデータベースを構築する。行動とそれに伴う脳内ネットワークの発達メカニズムを明らかにすることで、臨床的には自閉症スペクトラムの超早期診断や早期介入が可能となる。また多様な個性に対する「社会性を育む」教育への提言が可能となる。
川島 隆太 東北大学 未来科学技術共同研究センター 教授 高齢者と学習障害の脳機能改善コホート研究 脳科学の知識や技術を応用して、健常高齢者の脳機能の加齢に関するコホート研究と、学習障害者を対象とした認知発達障害に関するコホート研究を行う。健常な高齢者の心身の健康を維持・向上させ、生産性を上げるための暮らしの工夫や生活介入方法を明らかする。また、学習障害者の脳機能や認知機能と生活習慣などの関係をコホート研究によって調査し、学習障害の発症機序の解明を目指す。
萩原 裕子 東京都立大学 人文学部 助教授 言語の発達・脳の成長・言語教育に関する統合的研究 言語の音声・音韻、語彙・形態、統語、談話などの各領域に渡り言語能力検査を開発し、日本語母語話者、日本人英語学習者、第二言語としての日本語学習者、バイリンガル児を対象とした追跡調査を行い、典型例について行動実験・脳機能計測実験を行う。言語の遺伝要因(普遍文法の原理)と環境要因(パラメータ値の設定)、教授法、学習法の相互作用を見いだし、脳の成長に基づいて、母語の健全な発達を保証しつつ、「いつ、何を、どのように導入するのがよいか」という最適な外国語学習条件を提示することを目的とする。
六反 一仁 徳島大学 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 教授 教育支援のためのバイオメンタル技術の開発 心の健全な発達を阻害する養育環境等により心を病む学生が急増している。本研究では、大学生を対象に、従来の調査法と光トポグラフィー、ストレス評価用DNAチップ、唾液検査などの新しい生物学的評価法を融合させた追跡調査を行い、心の発達を阻害する素因及び環境リスク要因を抽出し、養育・教育環境を改善する生物学的指標を明らかにして、教育現場における心の健康を推進する新たな予防社会技術システムを構築する。
渡辺 恭良 大阪市立大学 大学院医学研究科システム神経学 教授 非侵襲的脳機能計測を用いた意欲の脳内機序と学習効率に関するコホート研究 学習の効率には意欲が反映され、疲労度と表裏一体に意欲低下が起こる。高効率学習、学習障害機序解明には、この意欲-疲労-報酬-学習の4態問題は避けて通れない。本研究では、学習・知的作業による疲労と意欲の非侵襲的脳機能同時計測、学習成立の脳機構と意欲との関連、学習意欲障害に関する遺伝的・環境的要因の研究を追跡的研究手法とを組み合わせて行い、実際の学習現場における種々の学習意欲向上プログラムを案出する。
五十音順に掲載

■ 戻る ■


This page updated on November 11, 2004

Copyright©2004 Japan Science and Technology Agency.