社会技術研究システム・公募型プログラムにおける平成16年度
新規採択研究代表者及び研究課題の決定について


研究領域:「脳科学と教育」〈タイプI〉
代表者氏名 機関名 所属部署名 役職名 研究課題名
柿木 隆介 大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 生理学研究所 教授・研究主幹 顔認知のメカニズム:その機能発達と学習効果の解明
小山 幸子 北海道大学 電子科学研究所 助教授 音声言語知覚機構の解明と英語教育法への展開
篠原 一之 長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 教授 非言語的母子間コミュニケーションの非侵襲的解析
五十音順に掲載

総評 : 小泉 英明((株)日立製作所 フェロー)

 本研究領域は、Human Security & Well-being(人類の安寧とよりよき生存)を基調とした未来を見据え、従来の脳科学にも教育学にも存在しなかった学習・教育指向の新科学領域を創生するものとして設定した。脳神経科学の蓄積されたデータの学習・教育への適用、各種の認知・発達・行動科学を基盤とした知見の学習機序や広義の教育への応用、など、先端技術・自然科学と人文学・社会科学を架橋・融合したTrans-disciplinary(環学的)な視点から教育関連問題の根幹にアプローチするとの趣旨で、今回で4回目の募集・選考となった。
 本年度の募集に対し、研究領域の趣旨に沿った45件の興味深い内容の提案があった。国際的にも社会的な関心が高まっていることもあり、今年度は提案が増大し、かつ内容が深化した。言語習得メカニズムの解明やコミュニケーションや社会性の解析から、具体的な教育カリキュラムの改善に至るまで、提案された研究課題は多岐にわたった。
 これらの提案は7名の領域アドバイザの協力により、まず書類審査を行い、
 特に優れた研究提案10件を面接対象として選定し、それらに対し面接選考を行った。本年度の選考にあたっては、社会技術の趣旨に沿った提案であることは勿論、具体的な成果に結びつく確度についても評価した。特に、自然科学技術と人文・社会科学を融合させ、同時に、基礎の研究者(Scientist& Scholar)と現場の実践者(Practitioner)を結び付けることが可能であるかを重視した。
 優れた提案が多数あった中から、選定件数の制約上、最終的には3件に絞り込まざるを得なかったことは昨年に引き続き極めて残念であった。

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this page updated on November 11, 2004

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