課題名 | 新技術の 代表研究者 |
開発実施企業 | 新技術の内容 |
---|---|---|---|
超高精度 熱膨張計測 システム |
国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 研究開発部門 第二研究ユニット 研究開発員 神谷 友裕 |
アドバンス理工 株式会社 |
本新技術は、低熱膨張率を正確に計測できる高精度熱膨張計測装置に関するものである。 半導体製造分野や航空宇宙分野において欠かせない低熱膨張材料開発において、近年1×10-8/Kという超低熱膨張率をもつ材料が開発されている。しかし、これら新材料を正確に評価できるのは、国家計量標準機関(日本では、国立研究開発法人 産業技術総合研究所 計量標準総合センター)のみであり、低熱膨張材料開発のボトルネックになっている。 本新技術では、光干渉式の熱膨張率計測装置に、精密な振動減衰機構と温度制御機構を加えるもので、一般の実験室の振動レベル・温度揺らぎでも正確な熱膨張率計測を可能にするものである。 半導体製造分野や航空宇宙分野における低熱膨張材料の重要性は、今後さらに拡大すると予測される。本新技術により、低熱膨張材料の評価を手軽に行えるようになることは、上記分野において、材料開発等の加速、歩留まりの改善を始めとする生産技術の向上、品質管理に寄与することが期待される。 |
機能性糖類の 革新的生産技術 |
東京工業大学 科学技術創成研究院 教授 原 亨和 |
フタムラ化学 株式会社 |
本新技術は、医療面や家畜の免疫力向上面において高い生理活性を有する高付加価値糖として知られるマンノースを、未利用バイオマスから、カーボン固体酸を触媒として用いて安価に効率よく量産するものである。 マンノースはマクロファージの活性化や細菌の感染阻害効果などの生理活性が認められ、市場において非常に高価で取引されている単糖であり、コンニャクイモや椰子油抽出粕を酵素や硫酸などに代表される強力な液体酸によって加水分解・精製することで製造されている。そのため、高価な原料価格に加え、酵素では分解反応の遅さ、強酸では中和処理および精製によるコストアップ等により、その市場価格は高価であった。 本新技術では、強力な加水分解性能を有し繰り返し利用可能な「カーボン固体酸」を用いて、安価な未利用バイオマス原料を加水分解することにより、原料コストの大幅低下および製造コストの低下を達成する高付加価値糖の生産プロセスを確立し、量産化への足掛かりとする。併せて、新しい機能性食材や、家畜の免疫能力向上効果を有する飼料などの素材を安価に提供することで、新規市場の創成を目指すものである。 |