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別紙2

「リサーチコンプレックス推進プログラム」 採択拠点の概要

No.1

中核機関:慶應義塾大学
拠点名:世界に誇る社会システムと技術の革新で新産業を創るWellbeing Research Campus

日本は世界に誇る技術とサービス、そして優れた社会システムにより、世界でトップレベルの健康寿命を実現してきました。日本が世界に先駆けて超高齢化社会へ向かっている現在、課題解決は社会の持続性という観点だけでなく、新しい価値や産業の創出という点においても、世界から注目されています。

本拠点は、ヘルスケア領域で世界をリードする多様な大学・研究機関・企業の集積性、羽田空港の対岸に位置するという国際的アクセスの優位性、京浜臨海部の企業群や首都圏の先端アカデミアと容易に連携し得る優れた地域性を生かし、持続的に世界中の人々のWellbeingを高める先導者の役割を担い、より魅力的で豊かな生活を実現させるための知見とサービスを生み出すことを目標としています。

①分子設計・ナノファブリケーション、②再生細胞医療・実験動物、③AIと連携するヘルスケア・オペレーションシステム、④ロボティクス・医療機器の4つのコア技術領域を中心に、ライフサイエンス・情報・ものづくりを融合し、その研究成果を統合的データサイエンスによって有機的に結び付け、テクノロジーとシステムの革新並びに社会実装の加速化により新分野や新産業を創出し、社会へ提供します。特に、データサイエンス・情報基盤として整備されるWellbeing Platformは、住民・患者といったユーザー側が主体性をもつことを志向した「Person-centered Open PLatform for wellbeing」であり、データサイエンスならびにAIやIoTといった新時代のテクノロジーとの相乗効果によって、効果的に情報を活用できる環境を実現し、人々のwellbeingを支えるあらゆる取り組みでのイノベーションを牽引する役割を果たすべく、全力をあげて取り組みます。

No.2

中核機関:公益財団法人 関西文化学術研究都市推進機構
拠点名i-Brain×ICT 「超快適」スマート社会の創出グローバルリサーチコンプレックス

現在の日本はさまざまな社会的課題を抱えています。特に、人口減少に伴う社会全体の閉塞感が大きな課題であり、少子高齢化・労働人口の減少による活力低下、地方の衰退、市場縮小による経済活動の停滞が生じています。このような時代背景の中で、人々は「モノの豊かさ」より「ココロの豊かさ」を求めるようになっています。この「ココロの豊かさ」を実現するのが、『「超快適」スマート社会』であり、心に感動・活力・共感を生み出す社会の創出が目標です。

「けいはんな」のリサーチコンプレックスでは、i-Brain(脳・人間科学技術)とICT(情報通信技術)を技術開発のコアと捉えています。i-Brainはヒトの心理・行動・脳・生体情報データ解析に基づいてココロを定量的・客観的に捉える技術群を指し、これにAI、ビッグデータ解析、IoTなどの最先端ICTを融合し、「ココロの豊かさ」を創出する技術開発を目指します。この技術開発により社会課題の解決を図ると共に、新たな事業を創生して経済活動の活性化に寄与していきます。

具体的な研究開発の取り組みとして、①オフィスにおける知的生産性向上、病院・介護現場でのストレス緩和などをもたらす知的環境デザイン、②赤ちゃんから高齢者に至る各ライフステージの心身快適モニタリングによる衣食住イノベーション、③非言語コミュニケーション技術によるヒトの心に寄り添う次世代ロボット・次世代遠隔コミュニケーションシステムの開発、を掲げています。

これらの技術開発に加えて、プロデュースマインドを持った人材の育成、大学・研究機関・大手・中堅・中小企業・ベンチャ-・地域住民の共創によりイノベーションの連鎖を自律的に引き起こす「イノベーション・エコシステム(生態系)」の構築に取り組み、「人が渦巻くけいはんな」、「高収益事業が生まれるけいはんな」、「世界へ飛翔するけいはんな」の実現を目指します。