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別紙

科学技術コミュニケーション推進事業
問題解決型科学技術コミュニケーション支援「ネットワーク形成型」
平成28年度新規採択企画 一覧

提案企画名 市民と科学者を結ぶ放射線コミュニケーションのネットワーク基盤構築
提案機関 NPO法人 知的人材ネットワーク・あいんしゅたいん
概要 福島原発事故以後、低線量放射線の生体影響に対する評価の混乱が続き、市民の不安と科学に対する不信は今もなお根深く、市民も科学者自身も直接データを検討する機会が少ないまま議論が空中戦になる事が多い。この事態を痛感し、当NPOを中心に、異分野の専門家と市民が協力して被曝影響の根拠となった元データを分析し、5年をかけて出版したのが『放射線 必須データ32(以後『32』と略称)』である。
本企画は、『32』を資料として、福島・首都圏・関西圏をコアに市民・科学者コミュニケーションネットワーク基盤の構築を目的とする。市民・科学者双方にとって、偏見を排し真摯に議論を深める科学リテラシーを獲得する実践の場となる。
提案企画名 その離島にしかない魅力を醸成,発信するための複数離島間コミュニケーション基盤の形成
-ICTの利活用による低コストかつ効率的な科学・技術・相互交流コンテンツの提供-
提案機関 国立高等専門学校機構 佐世保工業高等専門学校
概要 離島地区は本土との交通が限定されることから科学技術に関するコミュニケーション事業がほとんどない。離島特有の自然、文化を守り、発展させていくためには、それに関わり、かつ先端の科学技術を取り入れて、困難な社会問題を解決しようとする人たちの増加が不可欠である。本企画では、テレビ会議システムとテレプレゼンスロボットなどのICTを利活用し、時間と経費のコストを抑えた効率的な離島間の科学コミュニケーションシステムを構築する。これにより離島にいながら多種の教育コンテンツ、本土イベントに接触できるようにし、離島間の交流頻度、情報発信力の向上を目指す。
提案企画名 福岡市科学館を核としたくらしと科学の共創ネットワーク拠点づくり
-地方都市の課題を多彩なノウハウを持つ市民と解決し未来を創造する-
提案機関 株式会社福岡サイエンス&クリエイティブ
概要 近年の人口増加に伴い、成長著しい都市として全国的に存在感が高まっている福岡市は、今後成長需要に応じた生活基盤の整備が行われることが予想される。
本企画は、新たに整備・運営される福岡市科学館は、「サイエンス&クリエイティブ」を館のコンセプトとし、新たな交流と人材育成を図り、未来の福岡を共創していく未来創造活動拠点となることを目標としている。科学館開館前から科学の視点とデザイン思考を用いた多様なステークホルダーとのネットワーク構築とリテラシー向上に取り組む。また、科学館を福岡のくらしの課題解決・未来創造の拠点として根付かせ、市民が日々のくらしに科学を結び付け、未来を創造していける環境を作る。
提案企画名 学術-メディア連携を軸とした東日本大震災に関する教訓の他地域・次世代への継承
提案機関 東北大学 災害科学国際研究所
概要 東日本大震災に関する教訓を、次世代および津波災害が起こりうる他地域(東南海地震想定被害域・ハワイ)に伝え、防災力強化を図ることを主たる課題とする。
本企画では、課題を達成するため、当研究所が運営にかかわってきた「みやぎ防災・減災円卓会議」、「メディア懇話会」を発展させて実施する。海外の事例も参考にしつつ、日本の学術-メディア連携のプロトタイプを構築し、研究者およびメディア関係者の社会発信に関する意識・行動変革を目指す。本企画および企画の成果についてはメディアにおける記事化・番組化を図り、広く国内外に発信する。