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別紙1

国際科学技術共同研究推進事業(戦略的国際共同研究プログラム)
「日本-シンガポール共同研究」平成27年度新規課題 一覧

課題名 日本側
研究代表者
所属・役職 課題概要
シンガポール側
研究代表者
細胞信号伝達機構を模倣した人工細胞系バイオセンサーの開発 上田 宏 東京工業大学
資源化学研究所
教授
本研究では、単層リポソームからなる人工細胞(プロトセル)に、抗原結合能と酵素活性をもつ人工受容体を構築し再構成、整列させることにより、超高感度デジタルバイオセンサーを実現することを目的とする。 具体的には、日本側は安定で高感度な膜貫通型人工受容体酵素の構築を行い、シンガポール側はこれを組み込んだプロトセルの機能検証と、センサーとしてのシステム化を行う。 両国チームの相補的な技術を融合することにより、従来不可能だったプロトセル型抗原センサーによる抗原分子の簡便、迅速、高感度な測定系が実現するものと期待される。
ショーン・フーン 科学技術研究庁
生物医科学研究所
上級研究員
細胞の自己組織化のメカニクスを可視化する新しい光学プラットフォームの開発 大浪 修一 理化学研究所
生命システム研究センター
チームリーダー
本研究は、細胞内のナノスケールの分子動態と細胞に働く力を同時計測する新しい光学システムの開発を目的とする。 具体的には、日本側の世界最速の超解像顕微鏡技術と、シンガポール側の牽引力顕微鏡およびレーザー微細手術技術を融合する。 この新規光学システムを用い、細胞の自己組織化と物理的な力の関係を解析し、器官形成を始めとしたさまざまな現象で保存されている、細胞の自己組織化システムの基本原理が解明されるものと期待される。
茂木 文夫 テマセク生命科学研究所
主任研究員
神経細胞を近赤外光操作するバイオ・ナノデバイスシステムの開発 八尾 寛 東北大学 大学院
生命科学研究科
教授
本研究は、ランタニドナノ粒子の近赤外光エネルギーを可視光に変換する性質(アップコンバージョン)と、チャネルロドプシンなどの可視光に応答する光感受性タンパク質を利用し、近赤外光による神経活動操作の実現を目的とする。 日本側は、光感受性タンパク質を改変し、感度やナノ粒子との親和性を高め、シンガポール側において、ナノ粒子アップコンバージョン効率を高める。 このデバイスを用いることにより、中枢神経系内部にある特定の神経細胞の活動を透過性の優れた近赤外光で制御することが可能になるものと期待される。
アンジェロ・アル シンガポール国立大学
助教