JST(理事長 濵口 道成)は、国際科学技術共同研究推進事業(戦略的国際共同研究プログラム:SICORP)注1)「日本-中国共同研究」において、中国国家自然科学基金委員会(NSFC)注2)と共同で「生物多様性の形成機構解明および保全のためのゲノミクス」に関する共同研究課題の募集および審査を行い、平成27年度新規課題として以下の2件を決定しました(別紙1)。
(1)「棘皮動物と脊索動物の発生プログラムから目指す遺伝的進化度の構築」
(研究代表者:東京大学 大学院理学系研究科 准教授 入江 直樹、中国科学院 昆明動物学研究所 教授 ウェン ワン)本研究は、棘皮動物と脊椎動物のゲノム・分子発生プログラムを比較し、動物の器官形成や再生を含めた形づくりの設計図の進化(ボディプラン進化)について遺伝情報からの理解に繋げるものです。
(2)「日華植物区系区の暖温帯林におけるキーストーン植物の系統多様化と遺伝的変異分布パターンの時空間解析」
(研究代表者:京都大学 大学院農学研究科 教授 井鷺 裕司、浙江大学 生命科学部 教授 インシォン チウ)本研究は、日華植物区系区において生態的に重要な植物種(キーストーン種)を対象にゲノム情報を解読することで、地球環境変動に対する植物応答の予測に繋げるものです。
今回の選考では、応募のあった13件について、日本と中国双方の科学技術の発展を目的として、日本側および中国側の専門家による評価を行い、その結果をもとにJSTとNSFCが慎重に評価・協議を行い、採択課題を決定しました。
今回採択した各研究チームは、日本と中国の研究者グループで構成され、研究アプローチや独創性、チームの相乗効果や研究分野に与える影響などさまざまな評価基準を考慮し、選出されました。研究期間は支援開始からおよそ3年間を予定しています。