(補足説明)
用語:

1.量子テレポーテーション
 量子テレポーテーションは量子状態を伝送することで、送り手側の物体(情報)は破壊され、受け取り側に元の物体(情報)そのものが残るので、物体(情報)を送ったことと同じで、いわゆるテレポーテーションしたことになると言える。
 量子状態を伝送するということは、波動関数を伝送することでもあり、この波動関数を規定するには共役物理量の同時確定が必要である。これは量子力学の根幹である不確定性原理により普通の「古典的」な方法では不可能とされている。量子テレポーテーションでは、量子エンタングルした光子を用いてこの不確定性原理の壁を回避する。量子エンタングルメントは量子コンピューターの「心臓」であることから、量子テレポーテーションの研究は量子コンピューターの研究であるとも言える。また二つの量子エンタングルメントした光子の場合の相関をEPR(アインシュタイン・ボドルスキー・ローゼン)相関という。
2.量子ネットワーク
 量子情報を3者以上の間で自由にやりとりするネットワークで、古典的ネットワークと異なり、量子ネットワークの場合、任意の2者間で情報の授受が可能となるが、その場合、ネットワークに参加している全員が情報のやり取りに同時に協力して行うことが不可欠となる。
3.量子エンタングルメント(量子もつれ)
 量子エンタングルメントとは、離れた系の量子力学的な相関である。量子の世界では二つの粒子が離れても繋がった関係にあることがある。エンタングルした二つの光子では片方の特徴が決まるともう一方もそれに応じて決まる。例えばエンタングルした二つの光子が遙か遠方に離れても一方の偏光方向を測定するともう一方の偏光方向も同時に決まってしまう。つまり離れていても繋がっているとしか考えざるを得ない事象である。そのつながりの強さがエンタングルメントの強さになる。いろいろな定義があって理論上の統一を見ていないが、大ざっぱに言って0%がエンタングルメント無し、100%が完全なエンタングルメントを表している。
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This page updated on September 23, 2004

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