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映像作成のための画像処理技術に関しては、モーションキャプチャー※2を活用した即時映像合成などの制作の効率化に資するための研究や3次元デジタイザー(入力装置)データ分析に基づく「本物らしさ」の研究、3次元グラフィクス(映像・画像)で必要とされる高品質グラフィクス演算装置のためのアーキテクチャ(構成方式)、設計環境の研究が進みつつある。また、効率的にストレスなく高品質グラフィクス演算装置を利用するための研究も進みつつある。 |
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新しい感覚表現技術に関しては、人工現実感研究が進んでいる。視覚や聴覚以外の感覚(触覚、力覚、味覚等)も表現することを可能とする研究や、現実空間と人工空間を重畳させる複合現実感の研究、特定の場所において特定の情報を提示する領域展示研究などが進展しつつある。 |
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デジタル入力、編集、出力技術に関しては、3次元映像の撮影、編集のための研究や超高画質デジタル映像のための研究が進展しつつある。 |
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人間の感性に関する研究に関しては、生理学、脳科学などの基盤をもとに感性を科学的に解明し、快適性に関する知的基盤を構築するための研究基盤が整いつつあり、また、安全性の観点から新しい表現手法の人体に対する影響についての研究も進展しつつある。 |
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一方、これら各分野における研究開発は理工学系、医薬学系を中心に個別に進められてはいるが、それらの知見・技術を、文化系・芸術系研究者や制作者と協働してメディア芸術を支える基盤的技術として結実させ、文化的な価値を創造・普及する方向で研究開発を進めている事例は稀少である。そのため、既成の組織や従来の専門分野を越えて活躍する若手人材等の育成を図ることは重要である。 |
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このような現状に鑑みれば、各分野に芽生えつつある新技術の芽を総合的な研究開発事業としてメディア芸術創造の基盤技術として育成していくことは、実現可能であるとともに、その意義は大きいと考えられる。 |