(資料4)

新規採択研究代表者・個人研究者および研究課題概要


チーム型研究(CRESTタイプ)
戦略目標 「医療・情報産業における原子・分子レベルの現象に基づく精密製品設計・高度治療実現のための次世代統合シミュレーション技術の確立」
研究領域 : 「シミュレーション技術の革新と実用化基盤の構築」
研究総括 : 土居 範久(中央大学理工学部 教授)
氏名 所属機関 所属学部・
学科など
役職 研究課題名 研究課題概要
大石 進一 早稲田大学 理工学部 教授 数値線形シミュレーションの精度保証に関する研究 本研究では、数値線形シミュレーションツールを精度保証付きシミュレータへと性能向上させる理論とアルゴリズムを確立します。また、高精度内積計算アルゴリズムを用いた、悪条件線形問題の解決アルゴリズムとポータブルな高精度精度保証アルゴリズムを開発します。これらのアルゴリズムは、開発後に既存の有力シミュレータに実装して有効性を確認します。
田中 成典 神戸大学 大学院自然科学研究科 教授 フラグメント分子軌道法による生体分子計算システムの開発 本研究では巨大分子の電子状態を非経験的に計算する効率的な手法であるフラグメント分子軌道法のプログラムABINIT-MPを基に、金属を含んだ酸素反応や光励起反応も扱えるように機能を拡張し、汎用の第一原理生体分子シミュレーションシステムを開発します。これにより、中規模のPCクラスターでも溶液中の蛋白質や核酸に関する現実的な生体化学反応の分子シミュレーションが可能となり、生体の機能解明や創薬等に大きく寄与すると期待されます。
田中 高史 九州大学 大学院理学研究院 教授 リアルタイム宇宙天気シミュレーションの研究 人類が宇宙に進化した現在、宇宙プラズマ現象は人間の生活に影響を与えるため、宇宙天気と呼ばれています。本研究では、最新のスーパーコンピューティング技術により、宇宙天気シミュレーションをリアルタイムで実行し、世界初の数値予報を目指します。本研究により、我々の周りの自然を本来複雑なものと捉え、数値空間上に作られた自然のコピーから現実世界の複雑性を解明する、21世紀の科学に挑みます。
冨田 勝 慶應義塾大学 環境情報学部 教授 システムバイオロジーのためのモデリング・シミュレーション環境の構築 細胞のモデリングとシミュレーションは、細胞の動的で複雑な振る舞いを理解するためのシステムバイオロジーの新しい方法論として注目されており、医療の創薬、微生物の工業利用や環境浄化などの産業分野において、最重要課題の一つといえます。本研究は、知識工学・ソフトウェア工学的手法を導入し、システムバイオロジーのための、本格的な実用に耐えられるモデリンング・シミュレーションソフトウェア環境を開発するものです。
樋口 知之 情報・システム研究機構  統計数理研究所 教授
(副所長)
先端的データ同化手法と適応型シミュレーションの研究 シミュレーションなどの数値モデルによる対象状態の時間発展更新と、装置からの部分的な観測量に基づく状態補正の二つを適切に組み合わせる作業はデータ同化と呼ばれます。本研究では先端的なデータ同化手法を開発し、さらにこの技法をもとに、シミュレーションモデルを複数走らせ、データ適応的に数値モデルを切り替え、あるいはそれらを統合するようなメタシミュレーションモデルを創出するプラットフォームを提供します。
藤原 毅夫 東京大学 大学院工学系研究科 教授 複合手法を用いた電子構造計算技術の開発 第一原理電子構造シミュレーションの基盤的技術を構築するためには、100万原子あるいはそれ以上の原子からなるナノ・モデル系に適用できる第一原理分子動力学シミュレーション技術と今後重要な材料となる強相関電子系に対する第一原理電子構造計算シミュレーション技術が不可欠です。本研究では(1)超大型1万~1000万原子系量子力学分子動力学シミュレーション技術の確立と量子論的プロセスシミュレーターの基盤技術の構築、(2)1電子バンド抽象と多電子抽象を融合した第一原理電子構造計算手法の構築、の二つの課題を取り扱い、物質材料設計のためのシミュレーションの基盤技術を確立します。
五十音順に掲載

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This page updated on September 21, 2004

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