(資料4)

新規採択研究代表者・個人研究者および研究課題概要


チーム型研究(CRESTタイプ)
戦略目標 「教育における課題を踏まえた、人の生涯に亘る学習メカニズムの脳科学等による解明」
研究領域 : 「脳の機能発達と学習メカニズムの解明」
研究総括 : 津本 忠治(大阪大学大学院医学系研究科 教授)
氏名 所属機関 所属学部・
学科など
役職 研究課題名 研究課題概要
伊佐 正 自然科学研究機構 生理学研究所 教授 神経回路網における損傷後の機能代償機構 神経回路が損傷を受けた場合、他の回路により機能代償が行われることは経験的に知られていますが、そのメカニズムは不明です。本研究では、脊髄の錐体路損傷後に生ずる手指の運動機能回復及び大脳一次視覚野の破壊後に生ずる残存視の回復について、遺伝子からシステムレベルまでの解析を行い、その機能的・物質的基盤の解明を目指します。これらの成果はリハビリテーションにおいて新しい方策の開発に繋がるものと期待されます。
大隅 典子 東北大学 大学院医学系研究科 教授 ニューロン新生の分子基盤と精神機能への影響の解明 本研究では、胎児期から成人に至る脳の発生・発達過程におけるニューロンの新生に影響を与える遺伝的因子及び環境因子を、分子・細胞レベルから個体レベルまで階層的に解明することを目指します。また、その成果を統合失調症などの精神疾患の遺伝学的情報と統合し、ニューロン新生と精神疾患との関連について解析します。これらの研究によって、脳の健やかな発達に必要な遺伝的・環境的因子が明らかになることが期待されます。 
鍋倉 淳一 自然科学研究機構 生理学研究所 教授 発達期および障害回復期における神経回路の再編成機構 脳損傷回復期においては神経回路の広範な再編成が生じますが、この過程は発達期における神経回路網の再編成と共通するものがあると思われます。本研究ではこの視点に立って、脳発達期における神経回路の再編成メカニズムを明らかにするとともに、成熟脳における障害後の回復に発達脳と同様、臨界期があるかどうかを検証します。これらによって、急性脳障害からの機能回復過程におこる神経回路再編成メカニズムを明らかにすることを目指します。
西条 寿夫 富山医科薬科大学 大学院システム情動科学 教授 情動発達とその障害発症機構の解明 情動はヒトの行動に強い影響を及ぼし、またその異常は深刻な社会問題となっていますが、情動の脳内機構についてはほとんど解明されていません。本研究では、情動の発達及びその障害発症機構を、基礎医学と臨床医学の両面から、遺伝子、分子、細胞及び行動レベルで総合的に解明することを目指します。その結果、情動の脳内メカニズムの理解が進み、さらに情動障害の発症機構の解明やその治療法の開発に繋がることが期待されます。
ヘンシュ 貴雄 (独)理化学研究所 脳科学総合研究センター グループディレクター 臨界期機構の脳内イメージングによる解析と統合的解明 発達脳における学習のメカニズムを理解するためには、発達期神経回路網の可塑性に関する知識、脳の種々の機能発達における臨界期(感受性期)の正確な理解と臨界期が終了するメカニズムの解明が必要です。本研究では新しい方法を使い、生きている脳で臨界期の終了過程に生じる神経回路の再編成過程を可視化することを目指します。これによって、発達脳の学習メカニズム、さらには成人における学習促進方策の解明が期待されます。
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