JST(理事長 中村 道治)は、国際科学技術共同研究推進事業 地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)における平成27年度新規採択研究課題を条件付き注1)にて決定しました(別紙1)。
本事業は、科学技術と外交を連携し、相互に発展させる「科学技術外交」の強化の一環として、文部科学省、外務省の支援のもと、JSTと国際協力機構(JICA)が連携して実施するものです。開発途上国のニーズを基に、地球規模課題を対象とし、将来的な社会実装の構想を持つ国際共同研究を政府開発援助(ODA)と連携して推進することによって、地球規模課題の解決および科学技術水準の向上につながる新たな知見や技術を獲得することやこれらを通じたイノベーションの創出を目的としています。また、その国際共同研究を通じて開発途上国の自立的研究開発能力の向上と課題解決に資する持続的活動体制の構築を図ります。
今回、環境・エネルギー分野、生物資源分野、防災分野について研究提案の募集(平成26年9月11日~10月27日正午)を行ったところ、合計86件の応募がありました。募集締め切り後、ODAの視点からの評価も含め、外部有識者による委員会が書類・面接選考を行い、下表のように3分野4領域について合計12件の研究課題を決定しました。今回、カンボジア、モロッコの研究課題が初めて採択され、SATREPSで採択した国は、合計43ヵ国となりました。今後、契約などの準備が整い次第、支援を開始する予定です。
なお、感染症分野「開発途上国のニーズを踏まえた感染症対策研究」研究領域について行った研究提案の募集(平成26年10月21日~11月21日正午)に対しては、17件の応募がありましたが、日本医療研究開発機構(AMED)の設立時(平成27年4月1日)に、書類・面接選考の結果をAMEDに移管注2)しました。
<研究分野別・地域別 採択研究課題数>
研究分野 | 環境・エネルギー分野 | 生物資源分野 | 防災分野 | |
---|---|---|---|---|
研究領域 | ① 「地球規模の環境課題の解決に資する研究」 | ② 「低炭素社会の実現に向けた高度エネルギーシステムに関する研究」 | ③ 「生物資源の持続可能な生産・利用に資する研究」 | ④ 「開発途上国のニーズを踏まえた防災に関する研究」 |
採択件数 | 3件 | 2件 | 4件 | 3件 |
地域 | アジア | アフリカ | 中南米 |
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採択件数 | 7件 | 4件 | 1件 |
- 注1) 条件付き
- 今後は、外務省による相手国政府との実施にかかわる国際約束の締結、それに続くJICAによる相手国関係機関との実務協議を経た後、研究課題ごとに共同研究を開始します。しかし、相手国関係機関との実務協議の内容や相手国情勢などによっては、新規採択研究課題の取り消しも含め内容が変更となるなどの可能性もあるため、現時点では「条件付き」での採択としています。
- 注2) AMEDプレスリリース(SATREPS感染症分野平成27年度新規採択研究課題の決定)
- http://www.amed.go.jp/news/release_20150513.html
<添付資料>
別紙5:地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)の概要
<お問い合わせ先>
科学技術振興機構 国際科学技術部(SATREPSグループ)
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
Tel:03-5214-8085
E-mail:
SATREPS URL:https://www.jst.go.jp/global/