JST(理事長 中村 道治)は、国際科学技術共同研究推進事業(SICORP)注1)「日本-ニュージーランド共同研究」において、ニュージーランドビジネスイノベーション雇用省(MBIE)注2)と共同で「機能性食品」に関する3件の共同研究課題の募集および審査を行い、平成26年度新規課題として以下の3件を決定しました(別紙1)。
(1) 「ブラックカラントの糖代謝および認知機能の予防・改善に対する有用性」
(研究代表者:愛知学院大学 心身科学部 教授 大澤 俊彦、
植物食品研究所 食品・研究領域 サイエンスグループリーダー ロジャー・ハースト)
本研究は、ブラックカラントに含まれる有効成分が、運動との組み合わせにより、どのように糖代謝と認知機能を改善するか、日本とニュージーランドで共同研究を行い、新たな機能性食品の創製を目指すものです。
(2) 「免疫機能の最適化とアレルギー予防に資する醗酵食品の機能性に関する研究」
(研究代表者:産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門 主任研究員 辻 典子、
マラガン研究所 シニアリサーチャー エリザベス・フォーブス・ブロム)
本研究は、プレ・プロバイオティクスや醗酵代謝産物を含む食品により、「免疫機能発達の最適化」や「健康維持に重要な腸内フローラの形成」の実現を目指すものです。
(3) 「海産軟体動物および藻類に含まれる脂溶性成分の抽出と特性分析および生活習慣病予防機能の評価」
(研究代表者:北海道大学 大学院水産科学研究院 准教授 細川 雅史、
コースロン研究所 テクニカルマネージャー ポール・シモン・マクナブ)
本研究は、ニュージーランドで生産される軟体動物や海藻などの水産物に含まれる脂溶性成分の特性を明らかにし、それらの生活習慣病予防機能を解明するとともに、有用成分の効率的な抽出法や強化養殖法の開発を目指す研究です。
今回の選考では、応募のあった9件について、日本とニュージーランド双方の科学技術の発展を目的として、日本側およびニュージーランド側の専門家による評価を行い、その結果をもとにJSTおよびMBIEが慎重に評価・協議を行い、採択課題を決定しました。
今回採択した各研究チームは、日本とニュージーランドの研究者グループで構成され、研究アプローチや独創性、チームの相乗効果や研究分野に与える影響などさまざまな評価基準を考慮し、選出されました。研究期間は支援開始から2年間を予定しています。