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科学技術振興機構報 第1056号

平成26年9月30日

東京都千代田区四番町5番地3
科学技術振興機構(JST)

戦略的国際科学技術協力推進事業
「日本−ドイツ研究交流」における平成26年度新規課題の決定について

JST(理事長 中村 道治)は、ドイツ研究振興協会(DFG)注1)およびドイツ連邦教育研究省(BMBF)注2)と共同で「計算論的神経科学」に関する4件の研究交流課題を支援することを決定しました。この支援は、戦略的国際科学技術協力推進事業注3)「日本−ドイツ研究交流」注4)の一環として行われるものです。

支援を決定した課題は次の通りです。

(1)「計算論的アプローチを用いた実学習、フィクティブ学習、および観察学習の神経機構の解明」

(研究代表者:関西医科大学 医学部 磯田 昌岐 准教授、オットー・フォン・ゲーリケ大学マクデブルク 自然科学部 マルクス・ウルスペルガー 教授)

本研究交流は、実学習、フィクティブ学習、および観察学習の神経機構を、行動実験、脳機能画像実験、電気生理実験、そして計算論の手法を統合的に用いて解明するものです。

(2)「マウス運動野in vivo 2光子イメージングデータのデコーディング」

(研究代表者:株式会社国際電気通信基礎技術研究所 脳情報通信総合研究所 神谷 之康 研究室長、テュービンゲン大学 総合神経科学センター タカシ・サトウ ジュニアグループリーダー)

本研究交流は、2光子カルシウムイメージングデータを機械学習モデルで解析することにより、運動を準備・生成する神経回路の計算原理の解明を目指すものです。

(3)「視覚野の機能構築の発達」

(研究代表者:九州大学 医学研究院 大木 研一 教授、ゲーテ大学 計算機科学・数学部 マティアス・カスシューベ 教授)

本研究交流は、神経細胞の2光子カルシウムイメージングを行い、正常な発達時に機能構築がどのように変化するかを研究し、計算論的な神経回路モデルを構築し、神経回路再構成のメカニズムの解明を目指すものです。

(4)「効率的感覚表現を促進する能動的奥行知覚の自律学習:神経モデルからヒューマノイドロボットまで」

(研究代表者:北陸先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 チョン・ソンムン 助教、高等研究フランクフルト研究所 神経科学部 ジョーン・トリッシュ 教授)

本研究交流は、効率的な符号化理論に基づいて、眼球・頭部・全身運動を利用する幼児の両眼奥行知覚発達の神経モデルを開発することを目指すものです。

今回の研究交流課題の募集では17件の応募があり、これらの応募課題を日本側およびドイツ側の外部専門家により評価しました。その結果をもとにJST、DFGおよびBMBFが協議を行い、研究内容の優位性や交流計画の有効性などの観点から、日本とドイツがともに支援すべきとして合意した4件を支援課題として決定しました。研究期間は支援開始から3年間を予定しています。

注1) ドイツ研究振興協会(DFG:Deutsche Forschungsgemeinschaft)
1920年に設立された、ボン市に本部を置く非営利・非政府組織。自然科学と人文科学全分野にかかわる研究プロジェクトに資金を提供し、研究者間の協力を促進しています。
DFGホームページURL:http://www.dfg.de/en/index.jsp
注2) ドイツ連邦教育研究省(BMBF:Bundesministerium für Bildung und Forschung)
ドイツの中央省庁。研究機関や研究プロジェクトに資金提供を行うとともに、教育政策などを担当しています。
BMBFホームページURL:http://www.bmbf.de/en/index.php
注3) 戦略的国際科学技術協力推進事業
政府間合意に基づき、戦略的に重要なものとして文部科学省が設定した協力対象国・地域および分野において、相手国の研究支援機関と共同で研究提案を公募・採択し、国際研究交流を支援します。
戦略的国際科学技術協力推進事業ホームページURL:http://www.jst.go.jp/inter/index.html
注4) 「日本−ドイツ研究交流」
平成21年11月に開催された「第20回日独科学技術合同委員会」における合意に基づき、文部科学省が「ライフサイエンス」をドイツとの研究交流分野として設定しました。これを受け、JSTがDFGおよびBMBFと本分野において戦略的国際科学技術協力推進事業を実施することとなりました。今回は3回目の研究交流課題の採択となります。

<添付資料>

別紙: 戦略的国際科学技術協力推進事業「日本−ドイツ研究交流」平成26年度新規課題 一覧

参考: 戦略的国際科学技術協力推進事業「日本−ドイツ研究交流」平成26年度新規課題の採択に関して

<お問い合わせ先>

科学技術振興機構 国際科学技術部
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
定岡 香菜(サダオカ カナ)、中島 英夫(ナカジマ ヒデオ)
Tel:03-5214-7375 Fax:03-5214-7379
E-mail:

(英文)JST to fund Four New Japan-Germany Research Exchange Projects within “FY2014 Strategic International Research Cooperative Program (SICP)”