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別紙1

戦略的創造研究推進事業・ACCEL課題 概要

【研究開発課題1】

課題名:「フォトニック結晶レーザの高輝度・高出力化」
研究代表者:野田 進(京都大学 大学院工学研究科 教授)
プログラムマネージャー:八木 重典

CRESTでの基礎研究成果であるフォトニック結晶※1レーザー(PCSEL:Photonic Crystal Surface−Emitting Semiconductor Laser)では、発光面全体で位相がそろった高品質・高出力のレーザーを実現できる可能性が示されました。この特長を最大限に生かし、既存のレーザー技術では実現が難しい安定・高出力のレーザー加工機技術の実現を目指します。それと同時に、加工用以外にも、医療用、計測用など、潜在する多くの他用途への応用展開を視野に入れて研究開発を進めます。

PMとして、総合電機メーカーにおいて長年にわたるレーザーに関する研究開発と製品化の実績を持つ八木 重典 氏を採用し、技術的成立性の証明・提示(POC)を中心とした出口指向の戦略的な研究マネジメントを推進します。

 

研究開発の推進に当たっては、加工用途以外についても、市場調査やエンドユーザーからの意見聴取を通じて潜在ニーズを掘り起こしながら、医療用、計測用などさまざまな用途への展開を推進します。

以上のように、フォトニック結晶レーザーの高光出力化・高光密度化にチャレンジしながら、加工製造分野をはじめとするさまざまな分野での用途開発を進め、我が国のレーザー技術の国際的な競争力強化や市場拡大に貢献していくことを目指します。

※1 フォトニック結晶
光が波である特性を利用して、光を自在に閉じ込めたり、制御可能な特長を持つ光素子。

<目指すビジョンの図>

目指すビジョンの図

【研究開発課題2】

課題名:「PCPナノ空間による分子制御科学と応用展開」
研究代表者:北川 進(京都大学 物質−細胞統合システム拠点 拠点長・教授)
プログラムマネージャー:井上 衛

ERATOで開発した多孔性配位高分子(PCP※2)は、剛性に加えて柔軟性を併せ持つという独自の特徴を持ちます。このPCPのガス分離材としての性能(ガス貯蔵・放出能力)が格段に高いことがERATO研究の成果の1つとして得られており、ACCELでは、このPCPのガス貯蔵・放出能力を最大限引き出し、PCP製造の採算性やガス分離装置の小型化による用途拡大を視野に入れて、省スペース、省エネルギーで高効率なガス分離技術の実現に向けた研究開発を行います。PMとして企業の研究開発部門でエネルギー関連の先端技術企画、プロセス応用の実績がある井上 衛 氏を起用し、その知見・ネットワークを生かした出口指向の戦略的な研究マネジメントを推進します。

研究開発の推進に当たっては、オープンラボを立ち上げて企業や研究者を幅広く結集し、ガス分離技術の利用ニーズを広く探り、基礎研究成果ができるだけ広く応用展開できるように留意します。また、本課題においては、特に戦略的な知的財産の確保に取り組み、本課題に参画しなかった企業などにも本課題の成果が広く活用できるように留意します。

以上を推進することで、産業用途として高いニーズを持つ酸素、一酸化炭素、水素、メタンなどを安価、省エネルギー、高効率に空気や天然ガスなどから分離・貯蔵する技術を創出し、我が国の産業力強化や省エネルギー化への貢献を目指します。

※2 PCP:Porous Coordination Polymer
金属イオンと有機物から構成された多数の微細な孔を持つ物質。ガス貯蔵・ガス分離・触媒・センサーなどの幅広い分野での応用が期待されている。

<目指すビジョンの図>

目指すビジョンの図