戦略的創造研究推進事業チーム型研究(CRESTタイプ)
「代謝調節機構解析に基づく細胞機能制御基盤技術」研究領域における新研究総括の指定について

 戦略的創造研究推進事業チーム型研究(CRESTタイプ)の平成17年度発足研究領域「代謝調節機構解析に基づく細胞機能制御基盤技術」に関し、平成22年4月20日、研究総括 鈴木 紘一氏が逝去されました。このため、今後、本研究領域における研究課題の進捗状況や研究成果を把握し、適切な資源配分、研究計画の見直しを行う等、研究領域運営の責任者である研究総括として、西島 正弘氏(国立医薬品食品衛生研究所 所長)を後任とすることが、第22回研究主監会議(平成22年6月28日開催)において、基礎研究に係る課題評価の方法等に関する達に基づいて審議され、承認されました。

【新研究総括指定理由】
 西島正弘氏は、本CREST研究領域「代謝調節機構解析に基づく細胞機能制御基盤技術」の領域アドバイザーとして研究課題の選考・評価に携わってきた。加えて、本研究領域と同一の戦略目標の下に設定されている研究領域「代謝と機能制御」(さきがけ)の研究総括として平成17年から現在まで研究領域の運営の中心的な役割を果たしてきている。
 同氏は、生体膜リン脂質の代謝と機能に関する研究において世界をリードする研究を行ってきており、セラミドを選択的に輸送するタンパク質の発見とその輸送機構の解明は、長らく研究が難航していた生体膜脂質の細胞内輸送機構解明の契機になったとして国際的に高く評価されている。また、動物細胞におけるリン脂質の複雑な生合成機構を明らかにしてきており、脂質代謝研究の発展に大きく貢献してきたことから、本研究領域について先見性・洞察力を有している。また、現在、国立医薬品食品衛生研究所所長、日本脂質生化学会会長、日本薬学会副会頭、日本生化学会理事を務めており、本研究領域のマネジメントを行うに適した経験・能力を有している。さらに、生化学・薬学関連の国内外の雑誌の編集委員を務めるほか、日本薬学会賞選考委員長、文部省学術審議会専門委員、科学研究費委員会専門委員、厚生労働省薬事・食品衛生審議会委員等を歴任している。これらを総合すると、同氏は、関連分野の研究者から信頼され、公平な評価を行いうると思われ、本研究領域の研究総括として適任と思われる。
 前述のとおり、同氏は、平成17年から本研究領域の領域アドバイザーを務め、3年度にわたり計15課題の選考に携わると共に、中間評価会議等にて採択された研究課題の進捗の把握、研究推進の助言を行った実績を持ち、本研究領域の研究代表者及び領域アドバイザーとの信頼関係を確立している。
 以上より、西島氏を研究総括として指名することが適切である。


Updated on August 10, 2010
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