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平成30年6月19日

科学技術振興機構(JST)
宮崎大学
ひむかAMファーマ株式会社

出資型新事業創出支援プログラム(SUCCESS)における
ひむかAMファーマ株式会社への出資決定について

JST(理事長 濵口 道成)は、出資型新事業創出支援プログラム(SUCCESS)において、ひむかAMファーマ株式会社(本社:宮崎県宮崎市、代表取締役 新城 裕司、以下「ひむかAMファーマ」という)からの第三者割当増資注1)の引き受けを実施しました。

ひむかAMファーマは、JSTの「シーズ発掘試験注2)平成18年度「アドレノメデュリンの抗炎症作用を利用した医薬品の開発」、平成20年度「PAMP(proadrenomedullin-terminal 20peptide)の臓器保護作用を利用した医薬品の開発」、および「大学発新産業創出プログラム(START)注3)平成26年度「我が国で発見された生理活性ペプチド“アドレノメデュリン”の医薬品としての研究開発」(いずれも、北村 和雄 宮崎大学 医学部 教授)における研究開発成果を基に、平成29年2月に設立されました。

宮崎大学では、これまで多彩な生理活性を有するアドレノメデュリン(以下、「AM」という)注4)による難治性潰瘍性大腸炎の臨床研究を実施し、臨床効果を確認していました。潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患の治療は、これまでステロイド製剤、生物学的製剤などが用いられていますが、これら既存薬は効果が限定的で副作用も報告されており、AMを用いた新規医薬品開発による解決が期待できます。

AMは内在性ペプチドであるため、安全性の観点で優れている一方、投与後の血中半減期が短いなどの課題もありました。ひむかAMファーマは、このような課題を解決しつつAMの有する多彩な生理活性に基づく創薬開発を実施する宮崎大学発ベンチャー企業で、炎症性腸疾患に対する治療薬の研究開発を進めています。

SUCCESSでは今後も、JSTの研究開発成果を実用化しようとするイノベーティブなベンチャー企業に対して、成長資金の供給や関係機関のネットワークを活用したサポートを提供することにより、実用化を通じた先端技術の社会への還元を進めていきます。(URL:https://www.jst.go.jp/entre/)

JSTは平成26年4月より「出資型新事業創出支援プログラム」(略称:SUCCESS SUpport Program of apital ontribution to arly-tage Companie)を実施しています。本事業は、JSTの研究開発成果の実用化を目指すベンチャー企業に対しJSTが出資並びに人的および技術的援助を行うことでその創出および成長を促進し、当該ベンチャー企業が行う事業活動を通じてJSTの研究開発成果の実用化・社会還元を促進することを目的としています。出資を通じてJSTがベンチャー企業の株主になることで、民間の資金を誘引する「呼び水効果」を狙っています。

<企業概要>

企業名 ひむかAMファーマ株式会社
設立日 平成29年2月1日
本社所在地 宮崎県宮崎市
代表取締役 新城 裕司
事業内容 医薬品の研究開発

<用語解説>

注1)第三者割当増資
特定の第三者に新株引受権(新株の割当を受ける権利)を与えて行う増資のこと。会社の資金調達の方法の1つで、会社の自己資本を充実させ、財務内容を強化することができます。
注2)シーズ発掘試験
大学・公的研究機関などの研究成果を発掘し、研究シーズや企業ニーズの探索やマッチング、研究シーズの育成、研究成果の各種制度や企業への橋渡しをもっぱらの業務とするコーディネータなどが発掘した、知的財産権の取得が期待される、もしくは、知的財産権を既に取得し、実用化に向けて発展が期待される研究シーズの実用化を促し、コーディネータなどの活動を支援することを目的として実施していた事業です。
注3)大学発新産業創出プログラム(START)
事業化ノウハウを持った人材(「事業プロモーター」)ユニットを活用し、大学等発ベンチャーの起業前段階から、研究開発・事業育成のための公的資金と民間の事業化ノウハウなどを組み合わせることにより、リスクは高いがポテンシャルの高い技術シーズに関して、事業戦略・知財戦略を構築しつつ、市場や出口を見据えた事業化と、それによる、大学等の研究成果の社会還元を実現しつつ、持続的な仕組みとしての日本型イノベーションモデルの構築を目指す事業です。
注4)アドレノメデュリン
アドレノメデュリン(adrenomedullin、AM)は、1993年に宮崎大学 医学部の北村 和雄 教授らが、ヒト褐色細胞腫組織から発見しました。52個のアミノ酸残基で構成され、分子内に6個のアミノ酸残基から成るリング構造とC末端のアミド構造を有するもので、心血管保護作用や血管新生作用、抗炎症作用などの多彩な生理活性作用があることが分かっています。

<お問い合わせ先>

<ひむかAMファーマ株式会社に関すること>

ひむかAMファーマ株式会社
〒889-1601 宮崎県宮崎市清武町木原5200番地 宮崎大学清武キャンパス内
担当:新城 裕司
Tel:0985-69-3287
E-mail:
URL:http://www.himuka-am.com/

<宮崎大学の産学連携に関すること>

宮崎大学 研究国際部 産学・地域連携課
〒889-2192 宮崎県宮崎市学園木花台西1丁目1番地
Tel:0985-58-7951 Fax:0985-58-7793
E-mail:
URL:https://www.miyazaki-u.ac.jp/crcweb/

<SUCCESS事業に関すること>

科学技術振興機構 起業支援室
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
Tel:03-6380-9014 Fax:03-5214-0017
E-mail:
URL:https://www.jst.go.jp/entre/