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別添

内閣府 革新的研究開発プログラム(ImPACT)
プログラム・マネージャー 山川 義徳

2016年度Brain Healthcareチャレンジアイデア募集開始
~脳を健康にする製品やサービスを広く発掘~

内閣府 総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)「脳情報の可視化と制御による活力溢れる生活の実現」(プログラム・マネージャー:山川 義徳)は、2016年度Brain Healthcareチャレンジの募集を開始しました。(公募サイト:http://www.jst.go.jp/impact/hp_yamakawa/

Brain Healthcareチャレンジは、脳の健康促進の観点から、非医療分野の製品やサービスに関する革新的なアイデアを幅広く募集し、有望なアイデアについて実際に脳の状態を計測する実証トライアルを実施して、提案内容が脳の健康に与える影響を科学的に評価する活動で、昨年度に続き今回は2度目の開催になります。これにより、脳の健康を促進するような新たな製品を発掘したり、個々人の脳の健康状態に適したサービスを見つけ出したりすることを目指しています。本チャレンジによって、例えば、ダイエット効果を目的とした運動が脳の認知機能を向上させたり、睡眠環境に配慮した住宅リフォームが社会性をアップさせたりする可能性が発見され、脳の健康という観点から製品やサービスの価値の再定義がなされると考えています。

実証トライアルでは、理化学研究所、京都大学、東京大学、東京工業大学等の研究機関の協力を得て、MRI撮像による脳情報の取得及び解析を行います。約1カ月間の実証活動の前後の脳の状態の変化を本プログラム独自の脳の健康指標によって評価し、提案されたアイデアが脳の健康に与える影響を検証します。8月中旬の募集締め切り後、有識者による審査を行い、入選アイデアを9月中旬にホームページなどにて公表します。入選アイデアの一部については10月から12月にかけて実証トライアルを実施し、来年2月末には本プログラムの公開シンポジウムにてその結果を発表する予定です。

■ 背景

現在の日本は、情報社会、サービス経済など、脳への負担が大きい社会であり、さらに超高齢社会を迎える中で、脳の健康を維持することが社会的に重要になっています。このような中で、企業では心を扱う脳情報の民生応用への期待が高まり、先駆的な企業では既に製品やサービスの研究開発に脳科学が活用され始めています。しかし、脳科学の活用には専門的な知識と莫大な研究費がかかることから、必ずしも十分な脳情報の活用に至っていないのが現状です。一方で、多くの企業の製品やサービスの中には、脳情報を直接使っておらず、意識もしていないものの、脳の健康を維持する可能性を秘めた製品やサービスが既に多数存在していると考えています。そこで ImPACT山川プログラムでは、さまざまな製品やサービスを、脳情報を用いた指標から科学的に再評価する本企画(Brain Healthcare チャレンジ)を実施しています。この取り組みは、医療や創薬分野を中心とした欧米の脳科学研究とは異なるアプローチであり、多様な脳情報の民生応用につながり、日本の世界的な競争優位をもたらすと考えています。

■ 昨年度の取り組みについて

初年度である2015年度には49件の応募があり、有識者による一次選考の結果、アイデアの革新性や脳科学的可能性の観点から12件が入選アイデアとして選ばれました。入選アイデアの中から実生活での運用可能性などもふまえてさらに5件に絞られ、パプリカキサントフィル(江崎グリコ株式会社・一般財団法人生産開発科学研究所)、ビール苦味成分(キリン株式会社)、オフィスストレッチ(コクヨ株式会社)、臨床美術(凸版印刷株式会社)、カラーレンズ(東海光学株式会社)の5つのアイデアについて実証トライアルを行いました。実証トライアル結果の発表及び入選アイデア12件については、本プログラムが開催する公開シンポジウムにて表彰しました。昨年度の取り組みによって、毎日5分間のオフィスストレッチが脳の健康状態を良くする(脳の神経繊維が太くなる)などの結果が得られました。
(http://www.jst.go.jp/impact/hp_yamakawa/about/challenge/index.html)

■ 脳の健康指標(BHQ)による評価について

実証トライアルでは、本ImPACTプログラムにて開発している「脳の健康指標(BHQ)」を用いて評価を行います。これは、標準的なMRI計測・解析手法である、脳の構造から容積値などを可視化するVBM(Voxel-based morphometry)、脳の神経線維の太さを定量化する拡散MRI、安静時の脳活動をパターン化する安静時機能的MRI などを用いた脳情報の多面的な評価指標です。指標化に際しては、脳全体(全脳)の健康度を指標化するとともに、下位項目として、これまでの脳科学の知見を基に、認知制御・社会性・モニタリングといった機能に関連する領域に注目した指標化も行っています。これらの指標は、全体的には年齢が高いほど低下する傾向が見られており、年齢による脳の衰えを反映していると考えています。本プログラムでは、この「脳の健康指標」を様々な製品やサービスを評価する統一的な評価指標として開発と実証を進めています。この指標を使い、1ヶ月の実証活動の前後で指標の低下が抑えられたものは、脳の健康に良い影響を与える製品・サービスとして開発できる可能性があると考えています。

■ 募集要領

1.募集期間 平成28年7月19日~8月18日
2.提案申込 ホームページでの提案書類の申し込み受付。
3.書類選考 書類審査を行い、優れた提案(10~15件程度)はホームページなどで入選提案として公表。
4.実証試験 入選提案の一部(3~5件程度)は、実証活動とともに脳情報の計測、解析・評価を実施(10月~2月頃を予定)。
5.表彰 実証試験の結果に基づき、公開シンポジウム(平成29年2月23日予定)で表彰予定。
6.審査有識者 審査委員長 渡辺 恭良(理化学研究所 ライフサイエンス技術基盤研究センター センター長)