○ALCAでは、温室効果ガスの削減を中長期にわたって継続的かつ着実に進めていくため、新たな科学的・技術的知見に基づいて温室効果ガス削減に大きな可能性を有する技術の創出から実用化に向けて一気通貫した研究開発を推進し、グリーン・イノベーションの創出につながる成果を得ることを目指しています。
○今回成果を発表した課題*は、低炭素社会のキーデバイスである蓄電デバイスのさらなる高性能化を目指す「蓄電デバイス」技術領域の下、従来の酸化物や硫化物固体電解質とは異なる「第3の固体電解質群」としての錯体水素化物固体電解質を、全固体電池実用化のためにゲームチェンジテクノロジーとして位置づけ研究を行ってきたもの。
○この成果は「第3の固体電解質群」による全固体電池の実用化のための設計指針を提案したものであり、今後は、更なる全固体電池の高性能化のための研究開発に取り組む予定。
○このほか、ALCAでは特別重点技術領域「次世代蓄電池」において全固体電池の研究開発を進めており、こちらでは硫化物系および酸化物系無機固体電解質に適した界面構築、材料プロセス、電池設計などの要素技術を開発し、最終的には、酸化物系固体電解質を主として用いる、究極の全固体電池の実用化を展望できる基盤技術の創出を目指しています。この特別重点技術領域と今回発表した研究との関係については、今後、JSTで検討していきます。
* | 開発課題名 | 「錯体水素化物系高速イオン伝導体の全固体蓄電デバイスへの実装」 |
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研究開発代表者 | 宇根本 篤(東北大学 原子分子材料科学高等研究機構 講師) | |
研究開発期間 | 平成25~30年度(予定) | |
ALCA HP | https://www.jst.go.jp/alca/ |