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平成25年5月9日

科学技術振興機構(JST)
Tel:03-5214-8404(広報課)

国際協力機構(JICA)
Tel:03-5226-9780(報道課)

東京大学 生産技術研究所
Tel:03-5452-6017(総務・広報チーム)

「第2回アジア・太平洋水サミット」企画セッションへの出展について
−国際共同研究を通じた成果を交え、水文・気象予測と気候変動への適応に向けた取り組みや
今後の課題をアジア・太平洋地域の各国の政府・国際機関の関係者らと広く共有−

JST(理事長 中村 道治) とJICA(理事長 田中 明彦)が連携して実施する地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)注1)の一環として、東京大学 生産技術研究所の沖 大幹 教授を代表とするIMPAC−Tプロジェクト注2)の研究チームは、本年5月14日からタイ王国チェンマイで行われる「第2回アジア・太平洋水サミット」において、プロジェクトの研究成果に関する企画セッションを開催します。

「アジア・太平洋水サミット」注3)は、アジア・太平洋地域の各国の政府首脳や国際機関の代表者らが参加し、アジア・太平洋地域の水に関する諸問題について議論を行う国際会議です。IMPAC−Tプロジェクトは、平成21年よりタイ王国をフィールドに現地研究者および政府機関と共同で地球規模の水問題解決に向けた研究活動を行ってきました。また、平成23年に発生した洪水では発生直後から現地政府機関などと連携して洪水被害の実態調査を実施し、被害の拡大防止に取り組みました。

今回これらの成果が認められ、本サミットのテクニカルワークショップでの企画セッションと展示会への参加の要請を受けました。企画セッションでは、本研究プロジェクトの研究成果を交え、地球規模の水問題とその解決に向けた取り組みや今後の課題を各国の政府・国際機関関係者、研究者などに広く紹介する予定です。

本成果は、以下の事業・研究課題によって得られました。

地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)

研究課題名 「気候変動に対する水分野の適応策立案・実施支援システムの構築(IMPAC−T)」
研究代表者 沖 大幹(東京大学 生産技術研究所 教授)
日本側共同研究機関 京都大学、東北大学、東京工業大学、長崎大学、福島大学、北海道大学、国立環境研究所、農業環境技術研究所
相手国研究機関 カセサート大学、タイ王立灌漑局、タイ気象局、国立公園・野生動物・植物局、水資源局、公害管理局、チュラロンコン大学、モンクット王工科大学トンブリ校、マハナコン工科大学、ナレスアン大学、パヤオ大学
研 究 期 間 平成21年4月〜平成26年3月(予定)

本研究プロジェクトでは、東京大学を中心とした日本の大学と研究機関、そしてタイ王国の大学、政府機関が協働して、水循環情報統合システムの国スケールへの拡張適用、そのための水災害リスク評価・気候変動や土地利用変化に伴う水循環変動の継続的監視のための観測の整備強化、水災害予測・統合的水資源管理支援のための人間活動も考慮した水循環・水資源モデルの開発、そして観測とモデルを統合した水循環情報統合システム注4)の構築を目指しています。

<参考情報>

<第2回アジア・太平洋水サミットの概要と企画セッション出展の経緯>

「アジア・太平洋水サミット」は、アジア・太平洋地域の各国首脳をはじめとする各界のリーダーが参加し、水問題への認識を深め、問題解決への決意を共有し、具体的な行動に結びつける場となることを目的とした国際会議です。第1回サミットは、平成19年12月に大分県別府市で開催され「水の安全保障:リーダーシップと責任」という全体テーマのもと、水問題解決に向けた各国の具体的な行動の必要性について議論が行われました。

そして、今回の第2回目は“Water Security and Water−related Disaster Challenges:Leadership and Commitment”(水安全保障と水関連災害解決に向けた挑戦:リーダーシップと責任)をテーマに、本年5月14日から20日の日程でタイ王国チェンマイにて開催されます。

東京大学 生産技術研究所の沖 大幹 教授を代表とするIMPAC−Tプロジェクトは、文部科学省と外務省の支援のもとJSTとJICAが連携して実施している地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)のプロジェクトです。本プロジェクトでは、平成21年よりタイ王国をフィールドにタイ・日両国の研究者や政府機関が協働して、気候変動に伴う水問題の解決に向けた研究活動や人材育成を行っています。また、平成23年に発生したチャオプラヤ川洪水では、発生直後から現地政府機関およびJICAチャオプラヤ川流域洪水対策プロジェクトと連携して洪水被害の実態調査を実施し、そこで得られた成果をセミナーやマスメディアを通して広く社会に発信することで、被害の拡大防止に貢献しました。これらの研究活動と社会貢献の実績が認められ、本サミットから企画セッションへの参加要請を受けました。

<企画セッションの内容>

今回のサミットは、部門セッション(19日)、リーダーフォーラム(20日)、展示会(14日〜20日)、テクニカルワークショップ(16日〜18日)で構成されます。IMPAC−Tプロジェクトは、展示会への出展とテクニカルワークショップでの企画セッションを担当します。

企画セッションでは、「タイ王国とアジア・太平洋地域における水文・気象予測と気候変動への適応」と題して、「気候変動を把握するための地球観測強化」、「人間活動を考慮した水文・水資源管理モデルの開発」、「気候変動下における水関連災害への適応に向けた影響評価とリスク管理」そして「大規模洪水を予見するための水文気象の季節予報技術の開発」という4つのテーマについて、タイ・日両国の研究者をはじめとする政府関係者が講演を行います。また同セッション内では、「気候変動と水関連災害解決に向けた社会と科学のさらなる協力を目指して」というテーマでパネルディスカッションを開催します。展示会では、ポスターや映像を交え、本プロジェクトや研究成果について広く情報発信を行う予定です。

<今後の展開>

IMPAC−Tプロジェクトでは、タイ王国を事例に水資源の有効な管理方法や水災害の軽減策のモデルの提示、政策実施を支援するシステムの構築を目指しています。今回のサミットで得られる各国からの要望や意見を、これらプロジェクトの活動に反映する予定です。

<参考図>

図

図 IMPAC−Tプロジェクトの概要

<用語解説>

注1) 地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)
SATREPS(Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development)は、開発途上国のニーズをもとに、地球規模課題を対象とし、将来的な社会実装の構想を持つ国際共同研究を政府開発援助(ODA)と連携して推進することによって、地球規模課題の解決および科学技術水準の向上につながる新たな知見を獲得することを目的としています。また、その国際共同研究を通じて、開発途上国の自立的研究開発能力の向上と課題解決に資する持続的活動基盤の構築を図ります。
注2) 気候変動に対する水分野の適応策立案・実施支援システムの構築(IMPAC−T)
本研究プロジェクトでは、東京大学を中心とした日本の大学と政府機関、そしてタイ王国の大学、政府機関が協働して、水循環情報統合システムの国スケールへの拡張適用、そのための水災害リスク評価・気候変動や土地利用変化に伴う水循環変動の継続的監視のための観測の整備強化、水災害予測・統合的水資源管理支援のための人間活動も考慮した水循環・水資源モデルの開発、そして観測とモデルを統合した水循環情報統合システムの構築を目指しています。
研究課題概要URL:http://www.jst.go.jp/global/kadai/h2001_thailand.html
プロジェクトURL:http://impac-t.kugi.kyoto-u.ac.jp/top.html
平成24年のチャオプラヤ川流域の水文・気象情報URL:http://impact-www.eng.ku.ac.th/chaophraya/
注3) アジア・太平洋水サミット
アジア・太平洋水フォーラム(Asia−Pacific Water Forum)(事務局:日本水フォーラム)が主催し、アジア・太平洋地域各国の政府首脳や国際機関のリーダーが参加し、アジア・太平洋地域の水に関する諸問題について、幅広い視点から議論を行う国際会議。
第2回アジア・太平洋水サミットURL:http://info.apwatersummit2.org/
アジア・太平洋水フォーラムURL:http://www.apwf.org/
注4) 水循環情報統合システム
本研究プロジェクトでは、洪水や土砂災害、そして渇水などの水災害リスクの評価、気候変動や土地利用変化に伴う水循環の変動を継続的に監視するために必要な水文・気象観測網(降水量、河川の水位・流量、風速・風向、気温、蒸発散量などのデータ観測網)の強化、並びに水災害予測や水資源管理を支援するために必要な水循環・水資源モデルの設計開発を目指しています。これらの影響評価情報、観測網によって得られた観測値、モデルによって得られた出力値を統合して、治水や利水などの効果的な水管理を行うための情報システムのことを水循環情報統合システムと呼びます。

<お問い合わせ先>

<研究に関すること>

沖 大幹(オキ タイカン)
東京大学 生産技術研究所 教授
〒153-8505 東京都目黒区駒場4−6−1
Tel:03-5452-6382 Fax:03-5452-6383
E-mail:

<SATREPSに関すること>

岩城 拓(イワキ タク)
科学技術振興機構 国際科学技術部 地球規模課題国際協力室
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
Tel:03-5214-8085 Fax:03-5214-7379
E-mail:

<国際協力に関すること>

国際協力機構 広報室 報道課
〒102-8012 東京都千代田区二番町5−25 二番町センタービル
Tel:03-5226-9780 Fax:03-5226-6396
E-mail:

(英文)JST-JICA-SATREPS IMPAC-T project invited to share the progress
of research activities with decision makers in Asia Pacific
countries at 2nd Asia-Pacific Water Summit