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平成24年6月18日

科学技術振興機構(JST)
プラチナ構想ネットワーク

停電予防連絡ネットワーク、東京電力管内に加え関西電力管内にも展開
—家庭での適切な節電でピークカット・停電回避を目指す—

JST(理事長 中村 道治) 低炭素社会戦略センター注1)(以下、「LCS」という。センター長 小宮山 宏)およびプラチナ構想ネットワーク注2)(会長 小宮山 宏)は、今夏より停電予防連絡ネットワーク(以下、「本ネットワーク」という)をこれまでの東京電力管内に加え関西電力管内へ展開して運用を開始します。

2011年、LCSとプラチナ構想ネットワークは、夏場および冬場の電力需給が厳しくなるなかで、経済活動を停滞させずに大規模停電を回避するには家庭での節電が極めて重要と考え、東京電力管内における自治体と協力して、家庭における節電を呼びかけてきました。LCSが一部の自治体の協力を得て実施した実証試験の結果では、電力需要ピーク時間における参加家庭全体の電力消費量の約1割が削減されたことが確認されました。

今夏は、関西電力管内におけるピークカット・停電回避も目的として、東京電力管内に加えて関西電力管内でも本ネットワークの運用を開始します。関西電力管内への展開にあたっては、すでにプラチナ構想ネットワーク会員自治体である京都市、堺市、神戸市、生駒市に加え、大阪大学 下田吉之研究室の協力により吹田市での運用が予定されています。今後も参加自治体を募ります。

本ネットワークは、LCSが開発した電力需給予測モデルを用いて注3)、電力供給・使用データ、気象予報データ、国と協力して得られる電力需給に関する情報などから翌日の電力需給を予測し、電力需給がひっ迫に近づくと判断された場合に「節電予報注4)」を自治体の保有する緊急連絡網(メール配信システムやSNSなど)を通じて住民に配信し、家庭での省エネ・節電行動を促すものです。このシステムでは、電力ひっ迫度に応じて3つの節電レベル注5)を設定し、各レベルに応じて家庭でできる具体的な節電方法を提示します。「節電予報」では電力ひっ迫度に応じて節電レベルと、過度な我慢を伴う節電を強いることなく電力需要のピーク値を低く抑えることを目指します。また、数時間後に電力需給が著しくひっ迫してくると予測した場合(節電レベル3)は当日に「緊急節電警報注6)」を発します。日常的に心がける節電行動については、LCSやプラチナ構想ネットワーク、自治体などのWebサイトやSNSなどにより普及啓発を図ります。

昨年は、プラチナ構想ネットワーク会員自治体をはじめ多くの周辺自治体に参加を呼びかけた結果、東京電力管内の約50の自治体注7)が参加しました。今夏は、さらに参加自治体を増やすことにより、確実なピークカット・停電回避につながることが期待できます。

今夏の本ネットワークの運用期間は、東京電力管内および関西電力管内いずれも7月2日(月)から9月28日(金)までの予定です。

<用語解説>

注1) JST低炭素社会戦略センター(LCS)
持続可能で活力のある低炭素社会の姿を描き、それを実現するための総合戦略とシナリオを策定しています。低炭素社会の実現を加速する新技術創出に資する総合戦略や社会システム設計のための取り組みを検討し、それらの成果の活用を促進することにより新産業と雇用の創出に貢献し、国際的なモデルとなりうる低炭素社会のシステムを創成することを目的としています。
ホームページURL:http://www.jst-lcs.jp/
注2) プラチナ構想ネットワーク
 エコで、高齢者も参加でき、地域で人が育ち、雇用のある、快適な社会を目指したワンランク上のまちづくりを進める全国規模の連携組織。会員は自治体、企業、大学、研究機関、海外都市など。
ホームページURL:http://www.platinum-network.jp/
注3) 関西電力管内での節電予報の配信については、関西電力の電力需給予報を参酌のうえ判断する。
注4) 節電予報
電力需給モデルによって翌日の電力需給がひっ迫に近づく(レベル2)、またはひっ迫する(レベル3)と予測された場合には、節電予報を配信し、予め家庭における節電行動を促す。レベルの設定は注5)を参照のこと。
注5) 節電レベル(平成24年6月18日時点)
節電
レベル
電力使用率※) 呼びかけ 説明 節電行動例
レベル1 95%未満 「節電予報」は配信しない。日常的にできる節電行動を、LCSやプラチナ構想ネットワーク、自治体などのWebサイトなどで呼びかけるとともに、あらゆる機会で周知する。 普段から日常的に心がける省エネ行動。買い替え行動も含む。
  • エアコン・冷蔵庫を買い替える。
  • 白熱電球からLED電球やインバータ式蛍光灯に買い替える。
  • 古いブラウン管テレビやプラズマテレビを液晶に買い替える。
  • 遮熱カーテンに変え、二重窓を取り付ける。
  • エアコンの設定温度を上げる。
  • エアコン利用時は、空気を循環させるために扇風機を回す。
  • エアコンのフィルターを定期的に掃除する。
  • テレビやパソコンの不使用時には電源を切るかシステムスタンバイ状態にする。
  • 電気ポットや炊飯器の保温機能を切る。
  • 冷蔵庫の温度設定を標準または弱にする。
  • 冷蔵庫を壁から適切な距離を開けて設置する。
  • 冷蔵庫の開閉回数を減らす。
  • トイレ不使用時には保温便座のふたを閉める。
  • 待機電力をできるだけ切る。
  • 西日の強い時間は遮光カーテンを閉める。
レベル2 95%以上
97%未満
前日の夕方に「節電予報」で周知する。
  • レベル1よりやや厳しい節電行動。
  • 比較的大きな電力を消費する家電について、不要不急の場合の使用を控えるとともに、使用時間をずらせる家電についてはピーク時間帯を避けて使用するなどの行動。
  • エアコンの設定温度を高めにする。
  • 使用する部屋以外の照明を切る。
  • テレビやパソコンを省電力モードにする。
  • その他家電を使用の際は省エネを心がけ、炊飯器などの調理家電や洗濯乾燥機、加湿器、食洗機、掃除機などの使用をなるべく控える。
レベル3 97%以上 前日の夕方に予測した場合は「節電予報」で周知し、当日に予測した場合は「緊急節電警報」として周知する。
  • レベル2よりさらに厳しい節電行動。
  • 身体・生命・財産などに影響を及ぼさない範囲で、不要不急の電気機器の使用を控えるなどの行動。
  • エアコンの設定温度を高めにする。
  • 冷房する部屋をできるだけ減らす。
  • 部屋の照明を消す。
  • テレビやパソコンの使用を控える/消す。
  • その他家電を使用の際は省エネを心がけ、炊飯器などの調理家電の使用を控える。炊飯器などの調理家電や洗濯乾燥機、加湿器、食洗機、掃除機などは使用しないようにする。
※)電力使用率(%)=電力の使用量/電力供給量
注6) 緊急節電警報
計画停電を回避するためには、計画停電開始の遅くとも2〜3時間前までに電力消費の減少傾向を示している必要があります。LCSでは、電力需給モデルによって計画停電が起こる危険性を予測した場合、電力需給はひっ迫する時間帯の4時間前に緊急節電警報を配信して停電回避を目指します。
注7) 東京電力管内の停電予防連絡ネットワーク参加自治体 一覧
東京都 荒川区、足立区、新宿区、江戸川区、文京区、中野区、千代田区、品川区、江東区、東大和市(10自治体)
神奈川県 川崎市、綾瀬市(2自治体)
千葉県 柏市、松戸市、流山市、野田市(4自治体)
埼玉県 加須市、越谷市、熊谷市、ふじみ野市、宮代町(5自治体)
栃木県 栃木県、宇都宮市、足利市、栃木市、小山市、大田原市、那須塩原市、さくら市、那須烏山市、茂木町、市貝町、岩舟町、高根沢町、那珂川町(14自治体)
茨城県 茨城県、つくば市、笠間市、古河市、龍ヶ崎市、常陸太田市、筑西市、稲敷市、かすみがうら市、東海村、八千代町、境町、利根町(14自治体)、他1自治体
計49自治体

<参考図>

図

図 停電予防連絡ネットワークによるシステムのイメージ

<お問い合わせ先>

<本件に関すること>

科学技術振興機構 低炭素社会戦略センター
古旗 憲一(フルハタ ケンイチ)、永井 諭子(ナガイ サトコ)、岸岡 藍(キシオカ アイ)
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町9階
TEL:03-6272-9270
E-mail:

<プラチナ構想ネットワークの取り組みに関すること>

プラチナ構想ネットワーク事務局
芝 剛史(シバ ツヨシ)、岡屋 聡伸(オカヤ トシノブ)
〒100-8141 東京都千代田区永田町2−10−3 東急キャピトルタワー9階
TEL:03-6705-6216
E-mail: