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平成24年6月8日

東北大学 災害科学国際研究所
独立行政法人 科学技術振興機構
株式会社サーベイリサーチセンター

「情報収集活動員(みちのく・いまをつたえ隊)」が
東日本大震災の発生から1年後の被災地の情報を収集しました。

東北大学災害科学国際研究所による東日本大震災アーカイブプロジェクト「みちのく震録伝(しんろくでん)」注1)では、東日本大震災の被災地において、震災や被災地の生活の記録をはじめ、住民の方々の現在の暮らしや日頃の考え、未来への想いなど、地域の様々な「残したい、伝えたい」情報を収集する活動を2012年2月から実施しています。

本プロジェクトの賛同・協力機関である独立行政法人 科学技術振興機構(JST)および株式会社サーベイリサーチセンターは、宮城県内の沿岸被災15市町において現地調査員によるフィールドワークに協力しました。現地被災者の一般公募および、仙台市消防局を紹介の窓口とした宮城県内の消防ネットワークの連携のもと、消防OBの参画による15名以上の「情報収集活動員(みちのく・いまをつたえ隊)」を組織し、2~3月下旬までの約2ヵ月にわたり、現地でのヒアリング活動や写真撮影等を通じて様々な現地情報を収集しました。

約2ヶ月間の収集活動では、813人の被災された方に体験や教訓をうかがい、約2万枚もの被災地の風景をデジタル写真におさめ、被災地にあるチラシや掲示物などの震災記録を1,000枚収集しました。被災者の方からの話(ヒアリング結果)と被災地の写真は、現在、一次的な整理作業を行なっており、被災地の様子をおさめた写真はウェブ上で7月上旬に公開する予定です。また、震災記録は東北大学附属図書館を中心とする「図書館共同キャンペーン:震災記録を図書館に」注2)へ移管しました。

なお、今後は沿岸部のみならず内陸部へ活動範囲を拡大するとともに、これまで集めた情報の整理を踏まえ、収集の対象や内容を補完し、収集情報の重層化を図ります。

注1 東日本大震災アーカイブプロジェクト「みちのく震録伝」
東北大学災害科学国際研究所は、産官学の機関と連携して、東日本大震災に関するあらゆる記憶、記録、事例、知見を収集し、国内外や未来に共有する東日本大震災アーカイブプロジェクト「みちのく震録伝(しんろくでん)」を行なっています。 本プロジェクトは、今回の震災の被災地を中心にして、歴史的な災害から東日本大震災まで、様々な視点から集められた記憶、記録、事例、知見をもとに、分野横断的な研究を展開し、東日本大震災の実態の解明や復興に資する知見の提供を進めていきます。これらの取組みは、低頻度巨大災害の対策・管理の学問を進展し、今後発生が懸念される東海・東南海・南海地震への対策に活用します。

プロジェクトの詳細:http://www.dcrc.tohoku.ac.jp/archive/

注2 図書館共同キャンペーン:震災記録を図書館に
東北大学附属図書館を中心とする同キャンペーンに参加する図書館では、このような震災の記録を広く収集し、今後永く保存することにより、震災で得た教訓を後世にしっかりと引き継いでいきます。収集した記録は、防災・減災といった視点だけでなく、今後の私たちのあり方を考える上でも、必ず役に立つものと考えています。

キャンペーンの詳細:http://www.library.tohoku.ac.jp/shinsaikiroku/

参考資料

<お問い合わせ先>

東北大学 災害科学国際研究所
責任者:教授 今村 文彦
担 当:柴山 明寛(助教)、佐藤 翔輔(助教)、岩崎 雅宏(研究員)
Tel/Fax:022-795-4842
E-mail:

独立行政法人 科学技術振興機構 情報企画部
担当:佐藤 正樹、黒沢 努、安部 耕造
Tel:03-5214-8402
E-mail:

株式会社サーベイリサーチセンター 東北事務所 企画課
担当:人見 俊介、工藤 匠
Tel:022-225-3871
E-mail: