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<用語解説>

注1)ヘミフュージョン:
 図2に示したように、脂質膜は主にリン脂質から成る二重層構造をとっています。細胞内で脂質膜は様々なタンパク質の働きにより秩序を持って融合と分裂を繰り返しています。一般的に膜の融合とは、2枚の向かい合った膜が一つながりの大きな膜になることを意味しますが、ヘミフュージョンとは図2に示したような特殊な融合状態になることを指します。すなわち、向かい合った2枚の膜(脂質二重層)のうち、外側の一層同士のみが融合しており、内側の層は元のまま保持された状態です。図中では脂質分子の混ざり合いを表現するため、2つの膜小胞を異なる色の脂質分子で描いてあります。

注2)ハンチントン病:
 不随意運動や精神障害、痴呆等を伴う遺伝性の神経変性疾患です。ハンチントンと呼ばれる遺伝子に変異が入ることにより、神経細胞に変異型タンパク質が蓄積、凝集して細胞死を引き起こすことが原因と考えられています。

注3)ホスファチジルエタノールアミン:
 細胞は、図2に示すような脂質分子が二重になってできた「膜」で自己と外界を隔てています。この他にも、細胞の内部にある核やミトコンドリア、小胞体といった細胞内小器官も同じような脂質の膜で仕切られた空間として存在しています。ホスファチジルエタノールアミンは、これら膜の主成分の一つとして、生物界に広く分布しています。