JSTトッププレス一覧共同発表 ><用語解説>

<用語解説>

※1 アトムチップ
 表面近傍に原子を捕捉することのできる固体素子。通常は、固体表面上の小さな回路を流れる電流が発生する磁場によって原子を捕捉するタイプのものを指す。本研究でも用いた、Z型形状の電流とその中央の電流に垂直かつチップ面に平行に加えられた外部磁場によって原子を捕捉するZ型磁気トラップが最もよく使われる。

※2 量子ビット
 量子2準位系を持つ量子コンピュータの基本要素。現在、量子ビットとして研究されているものには、原子のほか、イオン、核スピン、光子、超伝導接合、半導体ナノ構造などがある。

※3 (超伝導)永久電流
 外部起電力なしに超伝導回路を流れ続ける超伝導電流。原理的に電気的な雑音を発生しない。

※4 ルビジウム原子
 最外殻に電子1個をもつアルカリ金属に属する原子(元素記号:Rb、原子番号:37)。半導体レーザを光源としてレーザ冷却することが出来ることから、多くの研究に用いられている。2001年ノーベル物理学賞の授賞対象となった、世界初の原子ガス中におけるボーズ凝縮体生成の実験にも用いられた。

※5 磁気光学トラップ
 レーザと磁場により原子の運動エネルギーを奪い、空間の限られた場所に原子を閉じ込める方法。磁場による原子エネルギー準位のゼーマンシフトと、光共鳴および自然放出を利用している。