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<参考図>

図2

図2:コレステロールなどの集合によりできたラフト構造

 今までは、細胞膜上に、直径100~数百nm 程度の大きさの安定な構造を持つラフトと呼ばれる領域が常に多数存在していて、その構造にいろいろな分子が取り込まれてシグナル伝達が起こるという考えが大勢を占めていました。しかし、そのようなラフトの存在は、多くの研究者の努力にかかわらず、実証できませんでした。
 今回の主な発見の一つは、従来の考えは間違っていて、CD59のようなGPIアンカー型タンパク質が細胞外のシグナル分子との結合によってクラスターを作ると、そこに、コレステロールや糖脂質のような特定の脂質が濃縮され、数nm~-数十nmのラフト構造が誘導されるということです。つまり、シグナルがくると、ラフトは、オンデマンドで形成されるような構造であるということです。ラフトは、矢印で示した範囲の膜部分です。