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<用語解説>

(注1)制御性T細胞
 T細胞は、リンパ球の一種で、骨髄の中で生み出された前駆細胞が、肋骨の後ろ、心臓の上にコブシ状の大きさで存在する胸腺と呼ばれる臓器での選択を経て分化し、成熟したもので、細胞に対する免疫反応に関係しています。T細胞の表面には特徴的なT細胞受容体(T cell receptor; TCR)が存在します。T細胞の中にもいくつかの種類があり、その中でCD4、CD25、Foxp3を発現して他のT細胞の免疫反応を抑制する機能を持つものを制御性T細胞と呼びます。

(注2)サイトカイン
 サイトカインとは、細胞から分泌されるタンパク質で、特定の細胞に情報伝達するものを言います。多くの種類がありますが、特に免疫・炎症に関係したものが多く、また細胞の増殖、分化、細胞死、あるいは創傷治癒などに関係するものもあります。

(注3)インターロイキン2
 インターロイキンとは、白血球から分泌される、細胞間の情報伝達の機能を果たしているサイトカインのこと。現在、30種類以上のインターロイキンが知られており、免疫系の機能の多くはインターロイキンによって担われ、自己免疫疾患や免疫不全の多くの難病もインターロイキンが関係しています。
 インターロイキン2は、T細胞によって分泌され、T細胞の増殖と分化を促進します。がんの免疫療法に用いられることがあります。

(注4)RNA干渉
 ある遺伝子配列に相当する二本鎖RNAを細胞へ導入するとその遺伝子の発現が選択的に抑制される現象のことです。バイオテクノロジーでは、この現象を利用して人工的に目的遺伝子の二本鎖RNAを導入することにより、その発現を抑制する手法が利用されています。