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補足説明

※1 臨界期
大脳皮質の視覚領(両目からの情報を最初に受け取る領域)では、生後8歳までに限って視覚刺激による神経回路の再構成が起こる。このように、神経回路が経験によって集中的に作られる時期を「臨界期」と呼ぶ。例えば、英語の“R”の発音を習得するには生後6ヶ月前後が臨界期であるなどが知られている。

※2 γ-アミノ酪酸(GABA)
大脳、小脳や海馬の主要抑制性伝達物質。脳内GABA濃度の低下はけいれんを誘発させ、病態との関連が注目されている。

※3 錐体細胞
大脳皮質の神経細胞のうち、約80%を占める神経細胞。脳の他の部位の神経細胞から受けた興奮性の信号を、また他の脳の部位に伝える役割を担う。

※4 ベンゾジアゼピン薬
この薬種には抑制性伝達を制御する作用があり、その一種であるジアゼパムのようにGABA伝達を推進するもの(アゴニスト)は抗てんかん剤、催眠鎮静剤、抗不安薬として用いられ、不安・緊張を抑制する作用がある。

※5 介在細胞
大脳皮質の神経細胞のうち、錐体細胞を除いた約20%を占める抑制性神経細胞。多種多様で、おのおの異なった役割を持ち、局所神経回路の活動を制御する。

※6 軸策起始領域
一本の長い神経突起である軸策が細胞体から出た、最初の領域。活動電位の発信部位。axon initial segment。

※7 ノイズ解析
受容体に分子が結合して活性化すると、イオンが通過する通路(チャネル)が開く。また、イオンが通り電流が発生すると、ごくわずかな電流ノイズの変化としてとらえられ、周囲の電流ノイズと区別できる。そのゆらぎ具合を理論に基づいた式にあてはめることで、チャネルにおけるイオンの通りやすさや、チャネル数を推測する解析法。