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平成18年12月25日

東京都千代田区四番町5−3
科学技術振興機構(JST)
電話(03)5214-8404(広報・ポータル部広報室)

石川県能美市旭台1−1
北陸先端科学技術大学院大学
電話(0761)51-1030(広報室)

どこでも、誰でも分析できる「ハンディタイプの元素分析器」を開発

(JST大学発ベンチャー創出推進の研究開発成果を事業展開)

 JST(理事長 沖村憲樹)と北陸先端科学技術大学院大学(学長 潮田資勝)は、微量(ppmレベル注1)の元素分析装置としては画期的なハンディタイプの小型分析器の開発と実用化に成功しました。
 近年、微量の元素分析注2に対するニーズは、安全・安心の分野(食品・水・土壌の有害金属検出)、健康管理の分野(食品や体内のミネラル管理)、品質管理の分野(製造工程中での金属濃度管理)などでますます増大しており、専門家による高度な分析作業だけではなく、「いつでも、どこでも、誰でも」分析できる分析装置が求められています。現在は、代表的な分析手法としてICP(誘導結合プラズマ)発光分光分析手法注3原子吸光手法注4が用いられていますが、特殊ガスと大電力を必要とする大型の据置型装置を利用することから、現場で採取した試料を持ち帰り、専門家が実験室で測定しなければなりませんでした。
 高村助教授らは、瓢箪ひょうたんのように中央にくびれを持つ小型容器に入れた導電性液体の両端に高電圧をかけると、電気抵抗による発熱で中央のくびれ部分が瞬時に高温となることで泡が発生し、その泡の中にプラズマが生じて、液体に含まれる原子特有の波長の光が観測できることを発見し、この独自の発光原理を利用することで、小型で操作・保守が簡単な「いつでも、どこでも、誰でも」分析できるニーズに応えられる、次のような画期的な元素分析器の開発に成功しました。
 最大の特徴は、片手で持ち操作できるまでに小型化・軽量化を実現したことで、サイズは200×100×80mm、重さは約1kg(従来の分析装置の約1/100の重さ)です。さらに、操作および保守が容易で、繊細な部品がなく、専門家以外の人でも扱えます。 今後、株式会社マイクロエミッション(代表取締役:山本保、本社:石川県能美市、資本金600万円)は、これらの元素分析装置の製造・販売を来春4月から行い、平成21年度までに累計売上10億円を目指します。
 本成果は、JST大学発ベンチャー創出推進事業により得られたもので、同社は、平成16年度より開始した研究開発課題「液体電極プラズマを用いた超小型原子発光分光分析装置の開発」(開発代表者:高村ゆずる) 北陸先端科学技術大学院大学 助教授、起業家:山本保)のメンバーが出資して、平成18年8月1日に設立したものです。
 今回の「株式会社マイクロエミッション」設立により、JSTのプレベンチャー事業及び大学発ベンチャー創出推進によって設立したベンチャー企業数は57社となりました。


<用語解説>

(注1)ppm:
割合を示す単位で、1ppm は、100万分の1

(注2)元素分析:
物質を構成する元素の種類を調べたり、各元素の含有量を調べる分析

(注3)ICP(誘導結合プラズマ)発光分光分析手法:
高温のアルゴンプラズマ中に試料を導入し、発生する光を測定することで試料中の元素を同定および定量を行う手法

(注4)原子吸光手法:
試料を高温中で原子化し、そこに光を透過して吸収スペクトルを測定することで、試料中の元素の同定および定量を行う手法

■原理
■製品例
■企業概要
■事業形態

<本件お問い合わせ先>

株式会社マイクロエミッション
〒923-1211 石川県能美市旭台2-13 いしかわクリエイトラボ
担当者名 山本 保(ヤマモト タモツ)
連絡先  石川県能美市旭台1-1 北陸先端科学技術大学院大学
ベンチャービジネスラボラトリー C9-31 高村研究室
TEL 0761-51-1420 FAX 0761-51-1944

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