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【用語解説】

※1 相
物質の状態のこと。例えば、液体は液相、気体は気相とも言う。

※2 アモルファス
結晶のように三次元的に規則正しい原子配列を持たない固体物質のことを言う。非晶質とも呼ばれる。

※3 大型放射光施設SPring-8
兵庫県にある大型共同利用施設。ほぼ光速で進む電子が、その進行方向を磁石などによって変えられると接線方向に電磁波が発生する。これが「放射光(シンクロトロン放射)」と呼ばれるものであり、電子のエネルギーが高く進む方向の変化が大きいほど、X線などの短い波長の光を含むようになる。特に第三世代の大型放射光施設と呼ばれるものには、世界にSPring-8、APS(アメリカ)、ESRF(フランス)の3つがある。SPring-8(電子の加速エネルギー:80億電子ボルト)の場合、遠赤外から可視光線、真空紫外、軟X線を経て硬X線に至る幅広い波長域で放射光を得ることができ、国内外の研究者の共同利用施設として、物質科学・地球科学・生命科学・環境科学・産業利用などの幅広い分野で利用されている。

※4 リートベルト法
X線回折等の測定データを用いて、結晶構造を精密に求める方法。各種のパラメータを入力することによって、計算値と測定値が一致するように精密化していく。

※5 逆モンテカルロ法
対象とする物質の密度を持つ立方体セルの中に存在する原子を乱数を用いて動かし、ガラス・液体・アモルファスのX線回折等の実験データを再現するような構造モデルを求めるシミュレーション法。

※6 ブラッグピーク
結晶のように周期構造をもつ物質に対して光(X線)を入射すると、周期の間隔、光の入射角、波長の3つのパラメータが特定の条件(ブラッグ条件)を満たした場合のみ、強い反射が観測される。この強い反射のピークをブラッグピークと呼び、さまざまな材料の結晶構造を解析するX線回折において、測定指標として使われている。

※7 偶数員環・奇数員環
原子が化学結合によって環状の化合物を形成した場合、その環が偶数個の原子からなる場合は偶数員環、奇数個の原子からなる場合は奇数員環と言う。数字の後に「員環」を付けて呼ぶため、5個の原子からなる環は5員環と呼ぶ。