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図1 変異型ミトコンドリアゲノムを含有するマウス(ミトマウス)の作製手順と導入されている欠失変異型ミトコンドリアゲノムの遺伝子地図

図1 変異型ミトコンドリアゲノムを含有するマウス(ミトマウス)の
作製手順と導入されている欠失変異型ミトコンドリアゲノムの遺伝子地図

本研究では、世界で唯一のミトコンドリアゲノム変異導入モデルマウス(ミトマウス)を材料として用いました。本マウスは、2000年に筑波大学林純一教授のグループが作製に成功しました。作製手法の手流れとしましては、まず、マウスの培養細胞にごく微量、含まれていた欠失変異型ミトコンドリアゲノムを濃縮させます。次に、このような細胞を脱核し(遠心分離によって核を飛ばしてしまう)、細胞質体を得ます。このような細胞質体をマウス初期胚に入れ、その後、電気刺激を与えて細胞質体の細胞膜と初期胚の細胞膜を融合させます。すると、欠失変異型ミトコンドリアゲノムを有したミトコンドリアがマウス初期胚に導入される訳です。すなわち、ミトコンドリアゲノムに人工的な操作によって遺伝子に変異を導入したのではなく、天然に存在していた欠失変異型ミトコンドリアゲノムをミトコンドリアごと、マウス初期胚に移植したことになります。