JSTトッププレス一覧共同発表 > 補足説明

補足説明

※1 ORF、オーフィオーム解析
 タンパク質をコードしている遺伝子配列(ORF=Open Reading Frame;読み枠)の総体のことをオーフィオーム(ORFeome)という。全ORFを扱った網羅的解析をオーフィオーム解析と呼ぶ。

※2 レプトマイシンB
 レプトマイシンBは放線菌由来の抗真菌抗生物質として当研究グループにより発見され、強力な細胞周期停止作用、抗腫瘍作用などにより注目されてきた。分裂酵母を用いた遺伝学的解析から、レプトマイシンBに対して耐性を与える遺伝子が取得され、それは当時機能不明のタンパク質Crm1をコードしていた。その後の解析により、レプトマイシンBはタンパク質の核?細胞質間輸送における核外輸送(核から細胞質へのタンパク質の輸送)の特異的阻害剤であることが示され、Crm1がその核外輸送を担う因子(運び屋)であることが明らかになった。

※3 YFP
 Yellow Fluorescent Protein。黄色を発する蛍光タンパク質。生きた細胞内でのイメージングに使われる。

※4 His6
 ポリヒスチジン。アミノ酸の一つであるヒスチジンが6個つながっている。His6タグを融合させたタンパク質はHis6に特異的な抗体を用いて検出ができる。

※5 核外移行シグナル配列
 核外輸送されるタンパク質には「核外移行シグナル配列」が存在することが1995年にエイズウイルス(HIV)のRevタンパク質において発見された。「核外移行シグナル配列」はロイシンに富んだ10アミノ酸程度の短い配列であり、類似の配列はプロテインキナーゼインヒビター(PKI )など多くのタンパク質に見いだされている。