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図3.遺伝子機能と細胞形態との関係3XN


図3 遺伝子機能と細胞形態との関係
図3 遺伝子機能と細胞形態との関係

A: 棒グラフは遺伝子破壊株4,718株を核分裂前の細胞の芽のサイズを基準に左から小さい順に並べたものです。図2で示した検定法により、86株が野生型株よりも有意に大きな値を持つと判定されました。これらの株のうち、DNA代謝に関わる遺伝子の破壊株が38株を占めました(44%)。全4,718遺伝子中DNA代謝に関わる遺伝子は303株(6%)ですので、核分裂前の細胞で芽が大きくなるという形態異常がDNA代謝に関わる遺伝子の欠質と密接な関係があることがわかります。
B: Aのような関係をもとにした遺伝子機能の予測。組み換え修復に関与する遺伝子の破壊株の形態情報から、類似した形態を示す遺伝子破壊株を抽出したところ、予測の基として使った遺伝子以外の破壊株が多数抽出され、そのほとんどの遺伝子がDNA修復に関与していることがわかりました。DNA修復における機能の不明な遺伝子破壊株についても詳細に調べたところ、DNA修復の機能に欠損があることがわかりました。
C: Bで予測した時に使った形態情報を2つの軸にして散布図を書くと、Bで抽出された遺伝子破壊株(赤丸)が特定の領域に集まっており、「核分裂前の芽のサイズが大きい」「核分裂中の細胞が多い」という共通した形態を持っていることがわかります。核分裂すべき芽のサイズになっても核分裂が開始されない場合や、核分裂が途中で止まっている場合にこのような形態を示すと考えられます。