<補足説明>
※1 グリア細胞:
 神経系そのものを造る細胞の中で神経細胞ではない細胞の総称。脳や脊髄などの中枢神経系では、アストロサイト、オリゴデンドロサイト、そしてミクログリアがいる。それらの働きは、主に、神経細胞に栄養を与えること、また神経細胞をとりまく環境の整備をすることで神経細胞の活躍を助けることです。
※2 シナプス:
 神経細胞同士がつながるタイプの回路、あるいは神経細胞が自分自身に対して閉じた回路を作る時の結合ポイント。このポイントを境に情報を伝えてくる(情報の流れの上流)が神経前終末部といい、ここから神経伝達物質が出ます。また、情報を受け取る側(情報の流れの下流)をシナプス後膜部といい、この部分で神経伝達物質をキャッチします。
※3 プロテインキナーゼC:
 タンパク質をリン酸化する酵素の一つで、いろいろな細胞に存在しています。外界からの刺激が細胞の中に伝わってこの酵素が働く(活性化)時、細胞の中のいろいろなタンパク質が連鎖的にリン酸化されます。これによって細胞内に情報が伝わります。
※4 アストロサイト:
 脳や脊髄にいるグリア細胞の中でもっとも多く存在するグリア細胞で、概算で神経細胞の数の約4-5倍の数が存在します。現在のところ、この細胞で作られる液性因子がシナプス形成を促進することが主流の説になっています。
※5 コレステロール:
 細胞の形を保つ細胞膜を構成するのに重要な脂肪成分の一つ。この成分が細胞膜の柔軟性を与えてくれます。現在のところ、このコレステロールが神経細胞にシナプス形成を促進するために必要な液性因子の候補の一つであると考えられています。
※6 ポリリジン:
 リジンというアミノ酸が直線状にたくさんつながった鎖でできています。全体としてプラスの電気を帯びています。これがあると細胞が何かに接着することがとても容易になります。
※7 コラーゲン:
 牛のシッポにも含まれている、いわゆるニカワ質(膠質)です。皮膚の成分であることでよく知られています。化粧品にも配合されている成分です。細胞はこのコラーゲンがあると、それを足場として接着しながらよく伸びて広がります。
※8 インテグリン:
 細胞が何かに接着するために使うタンパク質で、神経細胞の細胞膜表面の至るところにあります。このタンパク質は接着した時の情報を細胞の中に知らせる際の入口の役目を担っています。
※9 不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん):
 細胞の形を保つ細胞膜を構成する脂肪成分の一つにリン脂質という脂肪があります。不飽和脂肪酸はさらにそのリン脂質を形造る部品の一つで細胞膜の至るところにあります。細胞に外界からの情報が届いた時、不飽和脂肪酸は細胞の中で起こる特殊な反応によって細胞の中に情報を伝える分子に変化します。

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This page updated on February 5, 2004

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