用語説明
1)電歪
結晶に電場を加えることによって生じた電場誘起歪。逆圧電効果2)も電歪効果の一種であるが、歪と電場は線形関係である。本文に紹介する巨大電歪効果は非線形的な効果である。
2)圧電・逆圧電効果
ある種の結晶に力を加えると応力に比例した電気分極が発生し、一対の結晶表面に正負の電荷が生じる。この現象を圧電効果または正圧電効果という。またこのような結晶に電場をかけると電場に比例する歪が生じる。これを逆圧電効果と呼ぶ。また、正・逆圧電効果の総称を圧電効果という。
3)電気分極(自発分極)
圧電材料にあるプラスイオンとマイナスイオンの中心がずれることで生じた双極子モーメント。この分極は電場を加えなくても存在する、自発分極とも呼ぶ。
4)ドメイン
強誘電体中に電気分極方向が同一の領域。異なるドメインの分極方向は異なる。
5)点欠陥
結晶中の格子不全、空孔、添加元素・イオンの総称。
6)強誘電相転移、常誘電相、強誘電相
多くの圧電結晶がある臨界温度(変態温度)を境に構造変化(相転移)が起こる。変態温度より高温側の相は中心対称構造を持ち、低温側の相は非中心対称構造をとる。中心対称構造を持つ高温相は分極を持たず常誘電相と呼び、非中心対称構造を持つ低温相は分極を持ち強誘電相と呼ばれる。圧電効果は強誘電相のみに現れる。
7)時効
試料を一定温度に保持することを時効と呼ぶ。時効によって点欠陥や原子がもっと安定な位置に拡散することができる。
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This page updated on January 12, 2004

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