【用語説明】
1) エストロゲン(あるいはエストラジオール)
  ステロイドホルモンの1種であり黄体ホルモン(プロゲステロン)と並ぶ女性ホルモン。エストロゲンは男女ともに体内で合成・分泌され、微妙なバランスで身体全体の営みに関わっている。 女性の場合、性機能の発達と妊娠機能を司り、卵巣機能の低下に伴いエストロゲンの分泌量が減少すると、更年期障害を引き起こす。また、分泌バランスが乱れると生理不順や不妊の原因にもなる。エストロゲンには、エストロン、エストラジオール、エストリオールの3種類がある。これらは同じエストロゲン構造を有するが、それぞれ少しずつ違う作用を持つ。
2) トロンボポエチン(TPO)
造血系サイトカイン(用語説明5参照)の一種であり、造血幹細胞から巨核球が作られる過程に特異的に作用し、巨核球の産生を促進する。しかし、巨核球から血小板が作られる過程には単独では作用効果がみられない(図1)
3) 巨核球(キョカクキュウ)
骨髄細胞に存在する核が肥大化した巨大な細胞。通常の細胞より多くの染色体をもつため、それを包む核が巨大化しており、他の血球細胞(赤血球や白血球)に比べると3~15倍の大きさをもつ大型細胞(直径35~150mm)である。血小板は、巨核球の細胞質が細かくちぎれた断片である。1つの巨核球から数千個の血小板ができる。なお、巨核球前駆細胞とは、巨核球に成りうる元の細胞を指す。
4) 転写因子
遺伝子には発現制御のための領域があり、その領域に結合して遺伝子発現を活性化または抑制するタンパク質。
5) サイトカイン
生理活性をもつ低分子量のタンパク質の総称。サイトカインは、生体内で免疫系、発生・分化(形態形成)、造血系、内分泌系、神経系に関与し、その異常により各種疾病に関係している場合がある。例えば、造血系サイトカインの一種であるトロンボポエチン(用語説明2参照)の遺伝子異常により、血小板増加症がみられることがある。
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