【用語説明】
アミロイド(Aβ):老人斑の主成分として精製された、約40-42個のアミノ酸からなるポリペプチド。膜蛋白であるアミロイド前駆体蛋白質(amyloid precursor protein)から切り出されるが、それがどのように制御されているかの詳細は明らかではない。Aβは正常の状態でも作られているが、生理的な役割は謎である。

シナプス(synapse):脳は神経細胞同士が非常に高速にかつ精確に情報を交換することでさまざまな機能を果たしている。シナプスは、神経細胞同士がパルスあるいは化学物質により情報交換を行う「場」である。平均して、一つの神経は情報の送り手としておよそ1,000くらいのシナプスを形成し、受け手側としては更に多く、場合によっては10,000以上のシナプスから情報を受け取っている。

老人斑(senile plaques)と神経原線維変化(neurofibrillary tangles):アルツハイマー博士が神経原線維変化を発見し、老人斑とあわせて、この2つの形態上の変化が痴呆と密接に関係することを初めて明らかにした。その後の研究により、老人斑の主成分は、Aβが線維状に集まったものであり、神経原線維変化の主成分は、微小管結合蛋白質であるタウ蛋白が正常では認められないほど高度にリン酸化され線維状に集まったものであることが明らかにされた。神経原線維変化は必ずしもアルツハイマー病に特異的ではなく他の疾患においても認められるため、神経が死に至る共通の経路の可能性も示唆されている。

タウ蛋白(tau protein):細胞骨格を形成する微小管を支える蛋白質の一つ。

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