別紙1

「通信衛星を利用した海洋科学教室」の公開実験の概要


(背景)
 宇宙開発事業団(理事長 山之内秀一郎)は、超高速インターネット社会実現に向けた宇宙インフラ研究開発の一環である「i-Space利用実験計画」(* を開始しています。i-Space利用実験計画は、現在開発中の技術試験衛星Ⅷ型(ETS-Ⅷ)や、新たに研究開発に着手した超高速インターネット衛星(WINDS)等を用いて、幅広いアプリケーション分野の技術開発や、利用実験を行うものです。
 一方、海洋科学技術センター(理事長 平野拓也)は現在建造中の地球深部探査船「ちきゅう」と陸上の研究室とを結ぶ大容量通信技術の研究を行っています。その一環として、NASDAと共同で、深海底の高精細映像等の大容量コンテンツを実際の観測現場から陸上の教室等へリアルタイムに伝送し、臨場感溢れる海洋科学教室を行うことを計画しています。
 また、難解と考えられがちな最先端の科学技術を、最新の映像や参加体験型の展示手法を通じ、青少年をはじめとする国民にわかりやすく紹介する日本科学未来館(館長 毛利衛)では、別のパイロット実験において、宇宙開発事業団との協力により、「通信衛星を利用した日本科学未来館のリモート見学」を本年1月30日に実施したところです。
 
(実施内容)
 小笠原海域(予定)にある海洋調査船「かいよう」船上の3000m級無人探査機「ハイパードルフィン」の運用現場と日本科学未来館を双方向の高速回線で結び(※)、海洋の中層から深海底までに棲息する生物の紹介や、調査機器の紹介を行うと共に、採取された生物試料、関連調査記録などの高画質映像を活用した解説を行います。また、未来館にご来場頂いた方々は、洋上にいる海洋研究者に対して衛星回線を通して質問することが出来ますので、深海探査、海洋生物等、海洋研究に関わる知識を深めることが出来ます。(図1 実験のイメージ参照
 NASDAとJAMSTECは本実験を通して調査現場からのリアルタイム高精細映像を伝送するための要素技術、及び、より小型で安価な通信機器を用いて大容量の通信を可能にするための課題・問題点を洗い出します。また、本実験の技術的な評価結果は、超高速インターネット衛星(WINDS)の研究開発及び利用実験に活かす予定です。
 
(関連事項)
 日本科学未来館への来館者は本実験を自由に(無料)ご覧頂くことが出来ます。なお、海洋科学教室の方はご家族で楽しむことが出来るように工夫させて頂きますので、お気軽にお立ち寄り下さい。
 
*) i-Space利用実験計画概要 http://yyy.tksc.nasda.go.jp/sat/ispace/
(※) 悪天候などにより通信回線の確保ができず現場からの中継が出来ない場合がありますので、あらかじめご了承ください。
 

This page updated on February 27, 2002

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