参考

フィールド教育パイロット実験の概要


 通信衛星はその広域カバレッジ性から、地上回線が届かない海上、山間部、島嶼、へき地、海外、被災地等との通信が可能であり、また大容量のデータを同時に配信出来る等の特徴を有しています。そのため、教育分野においてはフィールド(屋外)と教室を結んだ遠隔教育や、高精細な映像や広帯域音などによる、美術品映像や音楽などの配信による「ホンモノの美」といった、教育の質の深さを実現させるための遠隔教育を実現させることが可能になります。
 現在実施中の教育分野のパイロット実験は、衛星通信の広域カバレッジ性や、高臨場感技術等を活かして、屋外の学習環境(例えば野外や遺跡、海外など)を教室に持ち込む「フィールド教育」の実現を目指した実験で、メディア教育開発センターと宇宙開発事業団との共同研究として、平成12年度後半から実施しています。フィールド教育は、「総合的な学習の時間」等に活用されるものと期待しています。また、本実験の成果は、同センターのスペース・コラボレーション・システム(SCS)の高度化、並びに事業団が平成16年度打ち上げ予定のETS-Ⅷの利用実験に反映させる予定です。(本フィールド教育実験の特徴をに示します。)

 平成12年度から13年度前半におきましては、実験協力校である宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校に実験機器を設置し、そこを拠点校として、以下のフィールド教育実験を実施しました。

課外授業として実施:
 
宇宙開発事業団・筑波宇宙センター展示館のリモート見学
宮崎県日向市立富島中学校(校長 田口廣昭)の協力で、宮崎県北部・潮見川からの汽水域生態レポート
熊本県南阿蘇ルナ天文台(館長 宮本孝志)からの天文教室
熊本県阿蘇火山博物館(館長 池辺伸一郎)からの火山教室
授業の一環として実施:
 
宮崎県五ヶ瀬町の二上山から、「生物1B」授業
海洋科学技術センター(理事長 平野拓也)の協力で、茨城県大洗町から、有人潜水調査船「しんかい6500」をテーマにした海洋科学授業

 平成13年度後半におきましても、引き続き同校を拠点校として、以下を実施することを予定(一部実施)しており、14年度前半の計画についても現在調整中です。

課外授業として実施:
 
国際宇宙ステーション訓練設備のリモート見学
授業の一環として実施:
 
科学技術振興事業団 日本科学未来館の遠隔学習
奈良女子大学文学部附属中等教育学校との研究レポート発表交換会(調整中)

This page updated on January 18, 2002

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