平成13年10月19日 |
理化学研究所 科学技術振興事業団 |
理化学研究所(小林俊一理事長)は、科学技術振興事業団(沖村憲樹理事長)と共同で、人間の脳活動を頭の外から0.5ミリの空間精度でイメージングする画期的技術の開発に成功しました。理研脳科学総合研究センター(伊藤正男所長)認知機能表現研究チームの田中啓治チームリーダーと科学技術振興事業団(JST)のKang
Cheng、Allen Waggoner両研究員による研究成果です。
近年、人間の脳活動を頭の外から測定する計測法が開発され、人間の高次脳機能のメカニズム解明への期待が急速に高まっています。しかし、従来法の空間精度は、5ミリ程度しかありませんでした。今回、研究グループでは、4テスラの磁気共鳴画像装置(MRI)※1を用いて、10倍の精度(0.5ミリ)で人間の脳の神経活動を記録する技術を開発。この技術を活用して、第一次視覚野※2に存在する眼優位性コラム※3をイメージングすることに成功しました。
この技術をさらに発展させることにより、知能や思考といった人間の高次脳機能のメカニズムを解明することができ、老人性痴呆(ちほう)や精神疾患の新しい治療法の開発につながることが期待されます。本研究成果は、JSTの戦略的基礎研究推進事業(研究領域:脳を知る、研究統括:大塚正徳
日本臓器製薬(株)顧問)に係わる研究テーマ「人間の高次精神過程に関わるコラム構造・配列の研究」の一環として得られたものです。
本研究の詳細は、米国の科学雑誌『Neuron』(10月25日号)で発表されます。
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