「健康・栄養情報基盤データベース」事後評価結果


1.課題名

 鉄鋼材料熱履歴データベース

2.開発(運用)責任者

 国立健康・栄養研究所
  開発責任者 澤  宏紀
  運用責任者 松村 康弘

3.研究概要

 健康・栄養政策や栄養疫学的研究において、国民の食品摂取・栄養素摂取状況は貴重なデータである。そこで、国や地域の栄養行政や栄養関連研究に活用するため、電子化されている昭和48年以降の国民栄養調査データをデータベース化し、これまで公表されていない県別の摂取量データ等も検索できるようにした。
 また、外食や料理に関する情報の整理・標準化に資するため、家庭食・外食・総菜・加工食品を含めた料理成分をデータベース化した。
 さらに、栄養所要量が各国で策定されているが、これについても、データベース化して、国民栄養のレファランス情報として利用することを目指した。 

〈データ項目とデータ件数〉

国民栄養調査 (調査年度)

食品摂取量(世帯) 1976~1995年
食品摂取量(個人) 1995年
栄養素寄与率(世帯) 1976~1995年
栄養素寄与率(個人) 1995年
個人身体状況・食生活状況 1976~1995年


その他の情報

料理情報 562料理
栄養所要量 12ヶ国

(平成11年9月現在)

4.アクセス状況

 公開時(平成11年10月)~平成12年11月 : 3,390件
               (平成13年6月現在 : 6,139件)

5.外部発表

*開発中
年  度 件   数 備    考
平成10年度 2件 Scientific meeting at the Vietnamese
National Institute of Nutrition, Hanoi, Viet Nam他

*開発終了後
年  度 件   数 備    考
平成12年度 2件 第37回情報科学技術研究集会他

6.事後評価結果

6-1. 当初計画の達成度
 大きく、①NNS(National Nutrition Survey)、②料理、③栄養所要量の性格の異なる3つからなり、計画はrecord数で表されている。このため、実際面での達成度は評価しづらいが、record数からは100%達成している。追加発生データ量に関してはその後の追加が計画されているものの、現在のところ未登録のようである。
6-2. データベース自体の評価
 ハードコピーとして散在していたデータを一つの電子媒体システムにまとめたもので、政府統計の一般公開、有効利用促進のためのシステムの、好個の事例といえる。ただし報告書中のURLがわかりづらく国立健康・栄養研究所のホームページからも検索できない。このため実際のusabilityは不明。またグラフ化が弱い、英語化が遅れている、表示においてフレームを用いておりプリントアウトなどにおいて障害が生じ得るので、それを避けた方がよいなど、いくらかの改善の余地をのこす。
6-3. データベース化終了後の公開運用体制及び運用状況
 運用体制はほぼ整っている。データベース維持のための委員会の設置、担当者の養成確保が必要とされよう。
6-4. 運用の今後の展開
 データベースの永続性のためのこの分野の学会の支援、英語化が望まれる。研究所の独立行政法人化後、維持管理体制をさらに整備されるとの事であり、将来には期待が持てる。
6-5. その他
 世界的に共通の課題であることから海外のシステムとのインターオペラビリティの検討、幅広く収集したテーマをより広く利用してもらうためのpromotionが必要であり、著作権、利用権については明確に文書で許可を得る必要がある。

7.総合評価

 当初の目的は達せられており、今後とも安定的データ追加、更新、運用が見込まれる模様である。栄養に関連した健康問題は世界的にも関心が高く、栄養士など専門家のための情報提供のみならず、やさしい解説をつけた一般向けのデータベースの開発、英語化、usabilityの改善などの課題は残すが、総合的評価は良好である。


This page updated on July 19, 2001

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