注1.募集領域の詳細


 この研究開発領域は、生物科学情報から、生物現象の原理や法則を発見し、体系化するための情報科学と生物学が融合して研究する領域を対象とするものです。
 具体的には、生物の構造、機能、関係などの生物学的データの生産者と情報科学的解析手法の提案者が協力し、新しい生物学上の発見や情報学の新たな創造へとつながるような、データ処理、データ表現を創出する研究開発などです。また、特定の生物現象や生物の共通原理の探求を目的とした実験を情報科学的視点からデザインし、情報学的に予測された理論を生物学的に検証、補完し、さらに、それらの成果が、情報科学的、生物学的研究のインセンティブとして機能する21世紀のバイオインフォマティクスの確立を目指します。
 生物という複雑な対象を扱い、原理を解明していく上において、多種多様の情報を考慮することは必須であり、生物科学と情報科学はこの目標にアプローチするための両輪であると言えます。そこで、両方のポテンシャルを持つ研究者、研究グループの参加を求めます。思考実験にとどまらず、データを収集し、検証していく過程で生物学的、情報科学的発想、問題解決手法がそれぞれに活かされ、生物科学上の発見をもたらすことを期待しています。

1) 情報生物科学に関する創造的な研究開発
 実際の生物研究から発生した情報源(データベース、実験、文献)に由来するデータを解析し、生物科学的発見にむすびつく知識発見、知識表現にかかわる方法論および技術の研究開発。
   
2) 情報科学と生物科学との融合型アプローチによる研究開発
 新規に開発された実験手法による新しいタイプのデータの発生、既存のデータ種の増大、多様化を対象とした、データの採取から蓄積、解析に至る一連の情報処理技術の開発。これには新しい切り口や焦点の提案を含みます。生物科学者と情報科学者とが協力し合い、データ生産と協調しつつ、情報的観点から実験デザインし、結果をフィードバックすることにより、目標とする事象に対してダイナミックなアプローチを行う研究開発。単に実験規模のスケールアップやオートメーションのための開発は含みません。

 また、時間的ファクター、定量性等、これまでの生物的データの収集において欠落、あるいは未測定のデータであって、生物現象の記述や再現において重要なファクターとなりうるデータを獲得するための方法論、技術の開発及び、その結果獲得したデータの知識化、体系化のための情報処理技術の開発。技術開発のみではなく、実際にデータを収集し、特定の現象または普遍的法則を再現または、モデル化することが目的である研究開発。

別紙1 バイオインフォマティクス推進事業について
別紙2 データベース高度化・標準化の対象の説明

This page updated on June 22, 2001

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