(お知らせ)
平成13年3月13日
埼玉県川口市本町4−1−8
科学技術振興事業団
電話(048)-226-5606(総務部広報担当)

難波プロトニックナノマシンプロジェクトの成果について

原子サイズ以下の超高精度で機能するタンパク質ナノスイッチ
− 細菌べん毛がミクロなスクリューとして働くためにらせん構造を形成するしくみを、X線結晶構造解析とモデルシミュレーションにより解明 −
(英国科学誌「ネイチャー」への掲載)

論文名: Structure of the bacterial flagellar protofilament and implications for a switch for supercoiling
(細菌べん毛素繊維の構造と超らせん構造形成のスイッチ機構)
doi:10.1038/35066504

細菌は、住みよい環境(たとえば栄養源等)を探すため、べん毛と呼ばれるらせん繊維状のスクリューを高速回転(約20,000rpm)させて泳ぎまわる。べん毛は直径約20nm長さ10数ミクロンの細長いチューブで、フラジェリンという単一種のタンパク質分子が一列に並んだ素繊維11本の円筒状の束である。そのらせん構造の緩やかな曲がりを形成するため、各素繊維は周期長を52.7Åと51.9Åのどちらにも切り替えることができる。つまりべん毛素繊維は、周期長を0.8Åだけ切り替えられるという、0.1Åレベルの超高精度のスイッチ機能を持っている(1Åはほぼ原子1個の大きさ)。今回、大型放射光施設SPring-8の理化学研究所ビームライン(BL45XU)を利用して、フラジェリン分子の構造を原子レベルで解明し、このタンパク質ナノマシンの超高精度機械的スイッチ機構を支える、極めて微小な部分構造変化を明らかにしたものである。この成果は、英国科学誌「ネイチャー」(平成13年 3月15日発行)に掲載される。

研究実施機関
科学技術振興事業団・創造科学技術推進事業(ERATO)
     難波プロトニックナノマシンプロジェクト
 研究者 Fadel A. Samatey(研究員)、今田 勝巳(グループリーダー)、長島重広(研究員)
難波 啓一(本プロジェクト総括責任者/松下電器産業(株)先端技術研究所リサーチディレクター)
ベスプレム大学物理学科(ハンガリー)
  Ferenc Vonderviszt(準教授)
理化学研究所播磨研究所
熊坂 崇(研究員)、山本 雅貴(先任研究員)
*この研究についての問い合わせ先
科学技術振興事業団・創造科学推進事業・難波プロトニックナノマシンプロジェクト 技術参事 大木芳正
TEL:0774-95-5033 FAX:0774-95-5034

This page updated on March 15, 2001

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